FIA、F1機密情報漏洩疑惑を受けトト・ウォルフ夫妻を調査へ
「フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)のメンバーからF1チーム代表に機密情報が渡された」との報道を受け、国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベン・スレイエム会長はコンプライアンス部門に調査を命じた。
名前は明らかにされていないが、メルセデスF1チームのトト・ウォルフ代表と、その妻でF1アカデミーのマネージング・ディレクターを務めるスージーが調査の対象に含まれているものと考えられる。
英誌「BusinessF1」によると最近のチーム代表者会議の中で、FOM経由でしか知り得ない情報に基づきウォルフが発言した事にライバルチームの代表者らが不満をあらわにしたという。
スージーは夫を通じてFOMが知り得ないチーム代表者同士の議論に関する情報を把握できる立場にあり、またトトは妻を介してFOMの機密情報を入手できる立場にあるため、利益相反とみなされ得る懸念が生じている。
こうした状況を背景にFIAは2023年12月5日(火)、「FOMのメンバーからF1チーム代表に機密情報が渡されたという疑惑を中心としたメディアの憶測をFIAは把握している。FIAコンプライアンス部門は現在、この問題を調査している」と発表した。
スージーは2011年にトトと結婚。翌年に夫が常務取締役を務めるウィリアムズとの間でF1テストドライバー契約を結んだ。
2015年末を以てレーシングドライバーとしてのキャリアに終止符を打つと、フォーミュラEに参戦するヴェンチュリーのチーム代表およびCEOを経て今年3月、女性ドライバー限定レースとして発足したばかりのF1アカデミーのマネージングディレクターに就任した。
F1アカデミーはF1の商業権を持つFOMが所有するシリーズで、スージー・ウォルフはF1のステファノ・ドメニカリCEOの部下という立場にある。