ドイツ・ニュルブルクリンクにはためく国際自動車連盟(FIA)の旗、F1アイフェルGP(2020年10月9日F1アイフェルGPにて
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

FIA、ウォルフ夫妻に対する物議のコンプライアンス調査を打ち切り

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国際自動車連盟(FIA)は恒例のFIA表彰式を前に、メルセデスF1チームのトト・ウォルフ代表と、その妻でF1アカデミーのマネージング・ディレクターを務めるスージー・ウォルフに対するコンプライアンス調査を打ち切った。

利益相反や機密情報漏洩の可能性を報じた英誌「BusinessF1」の記事の公開を経てF1の統括団体は12月5日(火)、コンプライアンス部門による調査を開始したと発表。波紋を呼んだ。

メルセデスF1チーム代表を務めるトト・ウォルフと妻スージー・ウォルフ、2018年5月18日Courtesy Of LAT/Formula E

メルセデスF1チーム代表を務めるトト・ウォルフと妻スージー・ウォルフ、2018年5月18日

FIAは個人名を明らかにしなかったが、メルセデスは自らのチーム代表に対する中傷であると非難し、スージー・ウォルフは「威圧的かつ女性蔑視的」と猛反発した。F1もまた「実体のない軽率で重大な主張」であるとの声明を発表した。

F1アカデミーはF1の商業権を持つFOMが所有するシリーズで、スージー・ウォルフはF1のステファノ・ドメニカリCEOの部下という立場にある。

こうした状況を経てレッドブルやアルファタウリを含む全てのF1チームは6日(水)、FIAに苦情を申し立ててはいないとする声明を発表。メルセデスとスージー・ウォルフに対する支持を表明した。

FIAは表彰式の開催を翌日に控えた7日(木)、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)の行動規範と利益相反ポリシーを見直した結果、「潜在的な相反を軽減するための適切な措置」が講じられており、機密情報の漏洩が生じる余地はないと発表した。

また「如何なる個人」に対しても「現在、調査は行われていない」とも述べ、「規定制定機関としてFIAは、世界のモータースポーツの整合性を維持する義務がある。整合性と公正性に対する(FIAの)コミットメントをここに改めて表明する」と付け加えた。