角田裕毅、好走を期待させる3つの前向き要因…F1カタールで本領発揮なるか
自身の将来を巡る懸念が解消され、また鈴鹿での奮わぬレースの原因が明らかとなり、更にはAT04が着実に競争力を増している事から、今週末に控えるF1第18戦カタールGPでの角田裕毅(アルファタウリ)には、これまで以上の走りが期待できるかもしれない。
カタールGPを週末に控えて角田裕毅は、日本GPを前に発表された契約延長により「心配事の一つがなくなった」として、残りのシーズンに向けて精神的に安定した状態にあると仄めかした。ドライバーが安心してレースに集中できる環境が如何に重要であるかは言うまでもない。
前戦鈴鹿での「ファンの大きな声援」は角田裕毅に、「余計なプレッシャー」ではなく「更なるエネルギー」をもたらしたが、予選ではQ3進出を果たすも決勝では戦略的失態もあってクルマのポテンシャルを活かしきれず、母国レースを入賞で締め括る事はできなかった。
鈴鹿での週末を振り返った角田裕毅は予選での好パフォーマンスに触れて「クルマの性能についてはあまり心配していない」と述べ、レースが奮わなかった主な原因は他にあると仄めかし、「理由は理解した」としてカタールGPでは「もっと良いレースができるはず」と期待を示す。
自信の根拠の一つはシンガポールで導入された大規模アップグレードだ。
「アップグレードによって、特に予選でのパフォーマンスが若干向上しました。上手く機能していると思いますし、戦う自信を得る事ができました」と角田裕毅は語る。
「ただその成果を完全に見極めるには、あと数回のレースが必要だと思います。シンガポールと鈴鹿は特性が全く異なりますし、カタールでのパフォーマンスが良ければ、アップグレードの有効性を確認できると思います」
一昨年のカタールGPでは13位と惜しくもポイント獲得を逃したが、予選では全ラウンドでトップ10に入るラップタイムを刻んで8番グリッドを手にするなど、角田裕毅はロサイル・インターナショナル・サーキットで印象的なパフォーマンスを発揮した。
PRイベント業務も兼ねてレース後も数日間に渡って日本に滞在した角田裕毅は、家族と共に過ごして英気を養い、ヨーロッパへと戻ると、シミュレーターを通して2年ぶりのロサイルについて習熟を重ねた。
ロサイルの技術的特徴について角田裕毅は「このコースは本当に平坦で、高速コーナーが多いため空力効率がすごく重要です」と説明する。
「体力的にも厳しいレースになりますし、タイヤのデグラデーションも重要なファクターです。コーナーでスライドし過ぎてタイヤを痛めないためにも、トップスピードとダウンフォースとのバランスをとる必要があります」
「オーバーテイクが可能なサーキットなので、ロングランペースを把握することが重要になりますが、スプリント形式が採用されるため今週末はフリー走行が1回しかありません」
カタールGPの舞台、全長5,380m、全16コーナーを有するロサイル・インターナショナル・サーキットが初めてF1カレンダーに登場したのは2021年の事だった。
初代ウィナーはルイス・ハミルトン(メルセデス)。フェルナンド・アロンソ(当時アルピーヌ)が2014年ハンガリーGPでの2位以来となる7年ぶりの表彰台に上がった。
F1カタールGPは日本時間10月6日(金)22時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。