角田裕毅（アルファタウリ）は2024年もシーズン中にチームメイトが交代する事態に直面するかもしれない。伝えられるところによるとレッドブルは、契約満了を前にセルジオ・ペレスに代えてダニエル・リカルドを起用する可能性があるという。

キャリア3年目の今年、角田裕毅はチームメイトが相次いで変わるという異例の状況に巻き込まれた。開幕当初にタッグを組んでいたニック・デ・フリースはハンガリーGPを前にチームを去り、代わって隣のガレージを確保したリカルドは骨折により長期の離脱を余儀なくされ、前戦日本GPを含めた直近の4戦ではリアム・ローソンがもう1台のAT04をドライブしている。

”アディダス”へのチーム名称変更の可能性が囁かれるファエンツァのチームは、2024年に向けて角田裕毅とリカルドの現行ラインナップを継続すると発表したが、史上最多となる来シーズンの24戦全てでリカルドがアルファタウリのマシンをドライブするのかどうかは分からない。

ペレスの契約は2024年末まで有効だが、場合によってはシーズンの途中でリカルドに席を譲り、空いたアルファタウリのシートにローソンが収まる可能性が指摘されている。

F1公式プレゼンテーターを務めるローレンス・バレットは「情報筋によるとリカルドは、シーズンの半ば、あるいは2024年キャンペーンの終わりに必要とされる場合、ペレスに代わるレッドブルのドライバー候補になるだろうとの事で、ローソンはオーストラリア人ドライバーの後任としてアルファタウリにドラフトされているようだ」と伝えた。

ローソンに関しては2024年に向けて、ローガン・サージェントの後任としてのウィリアムズへのレンタル移籍の可能性が取り沙汰されているが、クリスチャン・ホーナー代表は否定的な見解を示している。バレットによるとレッドブルが2024年にローソンを確保しておきたいと考えている理由の一つは、先のシナリオが念頭にあるからだという。

古巣復帰わずか2戦でホーナーやヘルムート・マルコら首脳陣に感銘を与えたリカルドは、早くもマックス・フェルスタッペンの2025年チームメイト最有力候補の座を射止めたと広く見なされている。

リカルドがこれほどまでに持ち上げられている状況は逆に、角田裕毅にとって好都合と捉える事もできる。打ち負かす事を期待されていない中でリカルドを上回れば、レッドブル以外のチームへの移籍を含めた新たな道への第一歩となり得る。

ただ完膚なきまでに撃破してしまうと、リカルドに対する当初の評価が誤っていただけなのではとの疑心を生む可能性もあるため、一貫して程よい程度により良い成績を残すくらいがちょうどよい塩梅なのかもしれない。