制動システム問題で周冠宇に悪夢、巻き添え喰らったボッタス…トップ7も一転無得点のアルファロメオ
今季初のシングルグリッド、それも2台揃ってのトップ7からのスタートだっただけにアルファロメオには大きな期待が寄せられていたが、周冠宇のC43に「ブレーキ・システム・ストラテジー」の問題が生じてエンジンのフェイルセーフが作動した結果、バルテリ・ボッタスを含む2台共が1周目に転落を強いられた。
F1第12戦ハンガリーGPで5番グリッドに着いた周冠宇はスタートで大きく出遅れた後、ターン1で前方のダニエル・リカルド(アルファタウリ)に衝突。連鎖的にアルピーヌの2台が巻き込まれる事故の引き金を引いた。
後方7番手のボッタスは事故を避けるべく勢いを失い、1周目を終えて12番手に。周冠宇は16番手にまで転げ落ちた。責任は周冠宇にあるとしてスチュワードは、5秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積4点)を科す決定を下した。
一件について周冠宇は「昨日の結果の高揚感から一転、本当に残念な結果になってしまったことは否めない」と振り返った。
「スタートで何が起きたのかについては、まだ全ての情報を集め切れていないから分からないけど、スロットルを全開にしていたら突然何かがおかしくなってしまい、きちんとスタートするためにもう一度すべての手順を実行しなきゃならなかったんだ」
「今後、同じことが繰り返されないように、すぐに調べてみるつもりだけど、何にせよ僕らのレースはこの瞬間にほぼ終わってしまった」
このトラブルについてアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表は「周のクルマはスタート手順の最中にブレーキ・システム・ストラテジーの問題に見舞われた。これにより周だけでなく両ドライバーのレースが危険にさらされる事になった」と説明した。
「周は最初のコーナーを前に11ポジションを失い、その後、ブレーキングの最中にリカルドに接触し、最初のピットストップで5秒ペナルティを消化した」
「バルテリは周を避けなければならず大きくポジションを失った。その後、この遅れを取り戻すことはできなかった」
ボッタスは「前にいた周が幾つかの問題を抱えたため、彼を迂回しなきゃならず勢いを失った。ソフトタイヤでスタートした連中があっと言う間に僕を追い抜いていった」と振り返った。
「全体として今日の僕らは昨日ほどペースが良くなく、フィールドを抜け出すことはできなかった」
7月23日(日)にハンガロリンクで行われた2023年F1第12戦ハンガリーGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2番グリッドからの逆転勝利を飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位表彰台にセルジオ・ペレス(レッドブル)が滑り込む結果となった。
スパ・フランコルシャンを舞台とする次戦ベルギーGPは7月28日のフリー走行1で幕を開ける。