2023年F1アゼルバイジャン 予選レポート:2度の赤旗…ルクレールが今季初ポール!角田裕毅、堂々のQ3
シャルル・ルクレール(フェラーリ)が1分40秒203を記録して2023年シーズンのFIA-F1世界選手権4戦アゼルバイジャンGPで今季初、バクー市街地コースでの3年連続となるポールポジションを獲得した。
4月28日(金)に行われた予選Q3はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との一騎打ちとなった。最初のアタックで両者は1000分の1秒まで全くの同タイムとなる1分40秒445を記録。先行して計測を終えたフェルスタッペンが暫定ポールに立ったが、最終アタックでルクレールが逆転。0.188秒差をつけた。
決勝のスターティング・グリッドを決する争いは気温20℃、路面38℃のドライコンディションでスタートした。路面温度はFP1より若干、低下し、魔のターン3で立て続けにクラッシュが発生した事で、赤旗による2度の中断を余儀なくされた。
2列目3番手にはセルジオ・ペレスが、4番手にはカルロス・サインツが続く結果となり、フロントロウを含む上位はレッドブルとフェラーリが分け合う結果となった。
角田裕毅(アルファタウリ)は今季初のQ3進出を果たした。残りの新品ソフトが限られた事からQ3は中古タイヤでの計測となったものの、DRSトラブルを抱えたランス・ストロール(アストンマーチン)を9番手に、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)を10番手に退ける堂々の8番手を刻んでみせた。
一方、FP1で6番手という印象的なタイムを刻んだ僚友ニック・デ・フリースはQ1開始早々、ターン3でターンインできずウォールに衝突。赤旗の原因を作って最下位でセッションを終えた。
🚩 RED FLAG 🚩
De Vries into the barriers #AzerbaijanGP #F1 pic.twitter.com/yHvO9wDIQ9
— Formula 1 (@F1) April 28, 2023
3列目にはルイス・ハミルトン(メルセデス)とフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)という2人のF1ワールドチャンピオンが顔を突き合わせる形となった。ランド・ノリス(マクラーレン)はアロンソに1000分の28秒及ばず7番手でクルマを降りた。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだ。
予選Q1:魔のターン3で2度の事故
エントリーした全20台で争われる18分間の予選第一ラウンド、Q1では全車がソフトタイヤを履いてコースイン。ルクレールがフェルスタッペンを抑えてトップタイムを記録した。角田裕毅は10番手でQ2進出を決めた。
周冠宇(アルファロメオ)はターン1で派手にスピンを喫してタイヤを1セット失ったが、幸いにも接触は免れた。ただ、デ・フリースはタイヤスモークを上げてTecProバリアに突っ込んだ。
車体がバリアに挟まれる形となった事でコース復旧には予想以上の時間を要し、中断は16分に及んだ。
オイル漏れ火災に見舞われたFP1を経て、アルピーヌのメカニック達は見事、予選までに10号車を再建した。ピエール・ガスリーは無線で感謝の言葉を口にしたが、赤旗再開直後のターン3でクラッシュし、リアを大破した事で再び赤旗が振られた。交換したばかりのパワーユニットとギアボックスへのダメージが懸念される。
Frustration for Gasly and Alpine 😖
When we restart they'll be just seven-and-a-half minutes remaining in Q1 #AzerbaijanGP #F1 pic.twitter.com/GLvWxDPy9r
— Formula 1 (@F1) April 28, 2023
同じタイミングでは、サインツがターン1で派手にスピンを喫し、タイヤにダメージを負った。
燃料ポンプの不具合により走行時間を失ったFP1に続き、ケビン・マグヌッセン(ハース)は再びエンジンに問題を抱えたようで「リスクを冒す事はできない」との理由でガレージに戻った。
ノックアウト
- 周冠宇(アルファロメオ)
- ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
- ケビン・マグヌッセン(ハース)
- ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
- ニック・デ・フリース(アルファタウリ)
予選Q2:角田、今季初Q3
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、フェルスタッペンがトップ通過を果たし、ルクレールにコンマ2秒差をつけた。
角田裕毅はメルセデス勢を含むライバルを打ち負かす7番手タイムを刻み、今シーズン初のQ3進出を決めた。
直線番長ウィリアムズFW45を駆るアレックス・アルボンはQ3進出の可能性を見据えながらも13番手に終わり、最終の計測ラップ中に妨害があったとしてサインツに対する不満をあらわにした。
メルセデス勢はハミルトンが10番手でギリギリ、Q3進出を果たしたが、僚友ジョージ・ラッセルはターン16の縁石に乗りすぎてタイムを失い、11番手でクルマを降りた。
ノックアウト
- ジョージ・ラッセル(メルセデス)
- エステバン・オコン(アルピーヌ)
- アレックス・アルボン(ウィリアムズ)
- バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)
- ローガン・サージェント(ウィリアムズ)
イベント2日目の4月29日(土)は、本戦の3分の1相当の100kmでポイントを争うスプリントレースに先立ち、そのためのグリッドを決する「シュートアウト」が史上始めて行われる。
予選によって決定したグリッドが適用される決勝レースは、日本時間4月30日(日)20時にフォーメーションラップが開始される。
2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:41.269 | 1:41.037 | 1:40.203 | 21 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:41.398 | 1:40.822 | 1:40.391 | 20 |
3 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:41.756 | 1:41.131 | 1:40.495 | 21 |
4 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:42.197 | 1:41.369 | 1:41.016 | 24 |
5 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:42.113 | 1:41.650 | 1:41.177 | 24 |
6 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:41.720 | 1:41.370 | 1:41.253 | 23 |
7 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:42.154 | 1:41.485 | 1:41.281 | 20 |
8 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:42.234 | 1:41.569 | 1:41.581 | 23 |
9 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:42.524 | 1:41.576 | 1:41.611 | 23 |
10 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:42.455 | 1:41.636 | 1:41.611 | 24 |
11 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:42.073 | 1:41.654 | 18 | |
12 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:42.622 | 1:41.798 | 19 | |
13 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:42.171 | 1:41.818 | 19 | |
14 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:42.582 | 1:42.259 | 19 | |
15 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 1:42.242 | 1:42.395 | 19 | |
16 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:42.642 | 11 | ||
17 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:42.755 | 10 | ||
18 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:43.417 | 9 | ||
19 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:44.853 | 6 | ||
NC | 21 | デ・フリース | アルファタウリ | 1:55.282 | 3 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 20℃ |
路面温度 | 38℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アゼルバイジャンGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | バクー市街地コース |
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設立 | 2016年 |
全長 | 6003m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 時計回り |