2023年F1マシン、プレシーズンテストを前に重量増…規定変更へ
バーレーンでのプレシーズンテスト開幕まで1ヶ月。サイドウォールの強化に伴うピレリタイヤの変更を踏まえ、2023年のF1マシンの最低重量が2kg増の798kgに変更される見通しとなった。
595kgに過ぎなかった2008年と比較してマシンは過去15年間で200kgも増加しており、近年のF1マシンは肥満化の一途を辿っている。
この数値はドライバーやオイル類を含むもので、含まれていないのは燃料のみ。重量が重くなった事でコーナリング中の動きは鈍くなり、ドライバー達は度々非難の声を上げている。
特に顕著だったのは2014年。V6ハイブリッド・ターボの導入により49kgも増加した。その後も高価な軽量素材の禁止、安全強化、タイヤの大型化などを背景に制限は引き上げられていき、グランドエフェクトカー導入の2022年には800kgの大台が見えるに至った。
当初は最低重量を795kgとする計画であったが、シーズン開幕に先立ちアルファロメオ以外の9チームはこれを大幅に超過する状況で、擦った揉んだの挙げ句、FIAは最終的に3kg上乗せする事を決定した。
その内の2kgはポーパシング対策としてステーの追加を認めた事によるもので、もう1kgはセンサーの追加によるものだった。
このステー対応のための重量増は2022年シーズンに限られたものであり、2023年には適応されないため最低重量は796kgに減少する…はずだった。
実際、昨年の12月7日に公開された最新版の2023年テクニカル・レギュレーションでは、第4条1項において「燃料を除くマシンの重量は大会期間中、常に796kgを下回ってはならない」としている。
だがRacingNews365によると、2023年型のピレリタイヤはサイドウォールの強化によりフロントタイヤが500g、リヤタイヤが200g、4個で計1.4kg増加するとの事で、タイヤの重量が変化した場合、乾燥重量を調整できるとする技術規定第4条3項の定めに従い、2kg増の798kgに修正される見通しだという。