マッティア・ビノット、フェラーリF1代表を辞職…後任未定
数週間に及んだ憶測にようやく終止符が打たれた。スクーデリア・フェラーリは11月29日(火)、チーム代表を務めるマッティア・ビノットからの辞表を受理したと発表した。
F1サンパウロGPを経てイタリア国内で更迭報道が相次いだ事を受け、フェラーリは「全く根拠がない」と火消しに走ったもののビノットの続投を明言することはなく、師走を前に正式な辞任が明らかにされた。
ビノットは12月31日まで現職に留まる。後任は発表されておらず、スクーデリアは「新しいチーム代表を選定するためのプロセスは現在進行中で、新年にも最終決定される予定だ」と説明した。
1995年にエンジン・エンジニアとしてマラネロに加わったビノットは2019年シーズンを前にゲスティーネ・スポルティーバ部門を統括する現職に就いた。
グランドエフェクトカーが導入された今季は開幕戦バーレーンGPでシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが1-2を達成するなど、幸先の良いスタートを切ったものの、信頼性不足、戦略のミス、そしてライバルであるレッドブルの執拗な巻き返しの前に両チャンピオンシップを失った。
キャリアの全てをスクーデリアに捧げてきたビノットは声明の中で「残念ながらフェラーリとのコラボレーションを終了することにした」と述べた。
「掲げられた目標を達成するためにあらゆる努力を尽くしたという確信から来る平穏さとともに私は、28シーズンに渡って所属してきた愛すべき会社を去る」
「私は去る事になるが、この団結し、成長する力強いチームは高く掲げられた目標を達成するための準備が整っていると確信している。将来の成功を祈っている」
「決断を下すのは難しかったが、このタイミングでこのステップを踏むことは正しいことだと考えている」
「困難の連続ではあったものの、同時に大きな満足感もあった。この旅を共にしてきたゲスティーネ・スポルティーバのすべての人々に感謝したい」
フェラーリのベネデット・ヴィーニャCEOは「28年に渡るマティアのフェラーリに対する多大な貢献、特にこの一年でチームを競争力あるポジションにまでカムバックさせてくれた事に感謝したい」と語った。
「おかげで我々は、何よりも世界中の素晴らしいファンのために、モータースポーツにおける究極の栄誉を勝ち取るための新たな挑戦に挑むための強力なポジションを得ることができた」
「スクーデリアとフェラーリ・コミュニティの誰もがマティアの今後の活躍を願っている」
後任にはアルファロメオ(ザウバー)のフレデリック・バスール代表やマクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表、元フェラーリ代表で今季限りでF1モータースポーツ担当マネージング・ディレクターを辞するロス・ブラウンらの名前が取り沙汰されている。