ビノット退任騒動…全F1チーム代表の在任期間をグラフ集計、抜きん出るクリスチャン・ホーナー
フェラーリは”否定的”な声明を発表したものの、続投を明言する事はなかった。報じられているように、シャルル・ルクレールとの関係悪化、タイトル争い敗北の引責として更迭された場合、マッティア・ビノットは2022年末を以て4年に渡るチーム代表としての役割に終止符を打つ事となる。
1993~2007年までマラネッロのチームを束ね、第2黄金期を築き上げたジャン・トッドが去って以降、赤き跳馬のF1トップは3度に渡って交代している。
2008年~2014年4月までは現F1最高経営責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリが務めた。続くマルコ・マティアッチの在任は7ヶ月に過ぎなかった。そして2015年から3年に渡ってチームを率いたマウリツィオ・アリバベーネを経て、技術畑出身のビノットが抜擢された。
マクラーレンも同様に、2009年以降はマーティン・ウィットマーシュ、ロン・デニス、エリックブーリエ、そして現職のアンドレアス・ザイドルと、4名の交代があった。
つまり、数年でチームのトップが入れ替われるのは決して珍しいことではないが、以下の表にあるように、中にはオーナーからの全幅の信頼を得て創設から一貫してチームを率いている者もある。
代表者 チーム |
在職年数 |
---|---|
クリスチャン・ホーナー Red Bull Racing |
18年(2005年~) |
フランツ・トスト AlphaTauri |
17年(2006年~) |
トト・ウォルフ Mercedes |
10年(2013年~) |
ギュンター・シュタイナー Haas |
7年(2016年~) |
フレデリック・バスール Alfa Romeo |
6年(2017年~) |
マッティア・ビノット Ferrari |
4年(2019年~) |
アンドレアス・ザイドル McLaren |
4年(2019年~) |
ヨースト・カピート Williams |
2年(2021年~) |
オトマー・サフナウアー Alpine |
1年(2022年~) |
マイク・クラック Aston Martin |
1年(2022年~) |
こうして改めてグラフで見ると、故ディートリッヒ・マテシッツからの全幅の信頼を得ていたクリスチャン・ホーナー(レッドブル)とフランツ・トスト(アルファタウリ)の勤続年数の長さが際立つ。
2005年1月に31歳という史上最年少でF1チーム代表になったホーナーも、気づけば今日(11月16日)、48歳の誕生日を迎えた。それでもなお、46歳のザイドルに次ぐ2番目の若さを誇る。
チーム創設当初から一貫してチームプリンシパルを務めているのは先の2人だけではない。2016年の初参戦から変わらずハースを率いているのはギュンター・シュタイナーだ。実際に就任が発表されたのは2014年4月の事で、参戦準備期間を含めると在任期間は9年に及ぶ。
トト・ウォルフも10年と長期だが、レッドブルファミリーの2人やシュタイナーとは異なり、メルセデスのチーム代表兼CEOは共同オーナーであり、雇われの立場ではないため意味合いが異なる。
ビノットの後任として取り沙汰されているフレデリック・バスールは、ザウバーCEO兼チーム代表として6年のキャリアを誇る。その前年には、ロータスの買収を経てワークス復活したルノー・スポールF1チームのチーム代表を務めていた。
バスールはルクレールのF1デビュー時のチーム代表というだけでなく、2016年のGP3チャンピオン獲得の際にルクレールが所属していたARTグランプリの創設者でもある。