マグヌッセン「冗談だろ!?こんな気持ち、人生初…」予期せぬ展開に平静を失った史上106人目のポールシッター
11月11日(金)に行われた2022 F1第21戦サンパウロGP予選でF1史上106人目のポールシッターとなったケビン・マグヌッセン(ハース)は、チームの戦略を称賛すると共に、優勝を懸けてスプリントに臨む事を誓った。
雨に濡れたインテルラゴスでの予選でマグヌッセンは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)のコースオフに伴う赤旗を前に暫定トップタイムをマーク。再開後に雨が降り出した事で、自身及びチームにとって初のポールを獲得した。
キャリア通算140戦目、ハースにとっては2016年の初参戦から数えて142戦目の衝撃的ポールだった。マグヌッセンはチームオーナーのジーン・ハースの70歳の誕生日にポールからスプリントをスタートする。
ガレージでの歓喜、ピットレーンでのギュンター・シュタイナー代表との熱い抱擁を経てマグヌッセンは、タイヤ選択とコースインのタイミングという点で完璧な仕事をしたチームを称賛した。
「なんと言って良いのか分からない…!チームは適切なタイミングで僕をコースに送り出してくれた。最初にピットレーンを出たのは僕らだった」とマグヌッセン。
「そして真っ当なラップを刻み、ポールに立った。信じられないよ。このチャンスを与えてくれたジーン・ハースとギュンター、そしてチームの皆に感謝したい」
2020年末を以てハースに解雇され、一度はF1を諦めたマグヌッセンにとっては思いも寄らぬ1日だった。ロシア軍によるウクライナ侵攻を経てニキータ・マゼピンが契約打ち切りとなった事でマグヌッセンは今年、衝撃のF1復帰を果たした。
「1年のブランクを経て今年F1に戻ってきたけど、本当に素晴らしい旅が送れている。ありがたい」とマグヌッセンは付け加えた。
明日のスプリントで優勝を狙いにいくつもりかと問われると「僕はレーシングドライバーだし、スタートするのはポールポジションだ」と述べ、「最大限のアタック」を約束した。
暫定トップタイムを刻んだ後に赤旗中断の知らせを聞いたマグヌッセンは、ポールへの期待に気もそぞろとなる一方、それが失われるかもしれないという浮足立つ気持ちを抑えるのに必死だった。
レーシエンジニアのマーク・スレイドから暫定ポールの知らせを受けたマグヌッセンは無線を通して「冗談だろ?」とつぶやいた。
スレイドが「冗談じゃないさ。このままフィニッシュしたら今日は皆に夕食を奢らなきゃならない!」と続けるとマグヌッセンは「冗談だろ! 何言ってんだ、ふさげやがって!こんな気持ち、人生で初めてだ」と返した。
そしてスレイドが「(でも)まだ終わっちゃいない」と続けるとマグヌッセンは「まだ祝うなよ、祝うなよ」と自分とチームに言い聞かせた。
2022年F1サンパウロGP予選でポールポジションを獲得したのはケビン・マグヌッセン(ハース)。これにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。
イベント2日目の11月12日(土)は、60分間のFP2セッションに続いて日本時間28時より100kmの短距離レースで決勝のスターティンググリッドを争う「F1スプリント」が行われる。