初のポールポジションを抱き合って喜ぶハースのケビン・マグヌッセンとギュンター・シュタイナー代表、2022年11月11日F1サンパウロGP予選
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マグヌッセン、140戦目で衝撃初ポール「夢を見ているようで怖い!」と歓喜ハース / F1サンパウロGP《予選》結果とダイジェスト

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2022年シーズンのFIA-F1世界選手権21戦サンパウロGPの公式予選が11月12日にインテルラゴス・サーキットで行われ、ケビン・マグヌッセン(ハース)がキャリア初のポールポジションを獲得した。

Q3中盤、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がターン4でコースアウトを喫し、グラベルに捕らわれたために赤旗が振られた。再開後は路面がドライからウェットへと変貌。事実上セッションは早期終了を迎えた。

この結果、暫定トップを刻んでいた30歳のデンマーク人ドライバーがキャリア140戦目を前に初のポールポジションを獲得した。ハースにとっても2016年の初参戦から数えて初めてのポールとなった。

0.203秒遅れの2番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、0.385秒遅れの3番手にはラッセルが続く結果となった。両者はいずれもクリーンラップを走った。マグヌッセンのポールは正々堂々の勝負の末のものだった。

ハースのギュンター・シュタイナー代表は「夢を見ているようで怖いくらいだ! 7年間に渡るチームの懸命な努力が遂に、結果に結びついた」と述べ、ドライバーとチームを称賛した。

「運が良かったから、というわけではない。ドライバーとチームの見事な仕事の賜物だった。適切なタイミングで適切なタイヤを選び、肝心な時にケビンがラップをまとめ上げた結果だった」

「最初にコースに出ていったという点でアドバンテージがあったとも言えるが、同時に、ライバルの走りからコンディションを把握できないというハンデを負っていた」

「ケビンとチームは今日の結果に値する。我々は常に懸命に働き、決して諦めず、戦い続けている」

フェラーリは戦略ミスが大きく響いた。カルロス・サインツは4番手ランド・ノリス(マクラーレン)に続く5番手につけたが、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は10番手に終わった。

誰もがソフトタイヤを履いてコースインする中、フェラーリはQ3に向けてルクレールにインターミディエイトを履かせた。

路面とタイヤがマッチせず、ルクレールは計測ラップをスタートさせたもののフィニッシュせず、1セットのインターと貴重なトラックタイムを失い、ノータイム10番手に留まった。

ルクレールは無線を通してチームに「素晴らしい!最高だね」と嫌味をぶつけ、セッション後にはあからさまに不機嫌な様子を見せた

ルクレールの背後で計測ラップを開始したセルジオ・ペレス(レッドブル)は前を塞がれ9番手と、フェラーリの悪手に割を食う形となった。

アルピーヌ勢はエステバン・オコンが6番手、フェルナンド・アロンソが7番手と揃って好位置を確保。その後方8番手にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が続いた。

アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが12番手とQ2進出を果たした一方、「奇妙な」グリップ不足に見舞われた角田裕毅は少ないチャンスで1ラップをまとめ切れず、19番手でQ1敗退を喫した。

予選Q1:角田裕毅、19番手敗退

FP1を経て現地サンパウロは霧雨に見舞われ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温19.1℃、路面27.1℃、湿度94%、気圧923.7hPaのウエットコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを持ち込んだ。

雨こそ止んでいたものの路面はダンプが混在する状態で、Q1では各車、インターミディエイトを履いてコースインした。

時間の経過とともにドライ路面が拡大する中、ガスリーがいち早くソフトタイヤに変更。3周目に全体ベストを叩き出すと、ライバルも一斉にソフトに履き替えた。

これによりタイムシートは事実上の白紙となり、終盤は非常に慌ただしく順位が入れ替わる展開となった。

ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)はダニエル・リカルド(マクラーレン)に蹴落とされて16番手、角田裕毅は9番手突破のガスリーから1.893秒遅れの19番手でノックアウトした。

ドライのFP1でトップ10入りの好ペースを刻んでいたアルファロメオ勢は失速。周冠宇は17番手、バルテリ・ボッタスは18番手で敗退を喫した。最下位はミック・シューマッハ(ハース)だった。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:13.106 13
2 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:13.403 + 0.297 11
3 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:13.542 + 0.436 9
4 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:13.597 + 0.491 12
5 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:13.613 + 0.507 12
6 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:13.625 + 0.519 11
7 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:13.954 + 0.848 13
8 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:14.324 + 1.218 13
9 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:14.371 + 1.265 13
10 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:14.398 + 1.292 13
11 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:14.427 + 1.321 11
12 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:14.486 + 1.380 12
13 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:14.663 + 1.557 10
14 カルロス・サインツ フェラーリ 1:14.680 + 1.574 12
15 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:14.931 + 1.825 12
16 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:15.095 + 1.989 13
17 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:15.197 + 2.091 12
18 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:15.486 + 2.380 13
19 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:16.264 + 3.158 12
20 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:16.361 + 3.255 12

予選Q2:僅差で涙を飲んだ3台

Q2中盤以降は黒い雲が上空を覆い、路面に雨粒が落ち始めたが、最後の1分を除けばタイムが更新され続ける展開となった。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は10番手オコンに1000分の44秒及ばず11番手、ガスリーは同1000分の88秒及ばず12番手、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は同1000分の91秒及ばず13番手でノックアウトした。

アストンマーチンはここで2台ともが姿を消した。ランス・ストロールは15番手でクルマを降りた。

僚友ノリスが5番手突破を果たした一方、リカルドは14番手でヘルメットを脱いだ。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:10.881 20
2 カルロス・サインツ フェラーリ 1:10.890 + 0.009 21
3 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:10.950 + 0.069 22
4 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:11.318 + 0.437 21
5 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:11.377 + 0.496 22
6 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:11.394 + 0.513 18
7 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:11.410 + 0.529 23
8 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:11.456 + 0.575 22
9 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:11.539 + 0.658 21
10 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:11.587 + 0.706 19
11 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:11.631 + 0.750 21
12 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:11.675 + 0.794 24
13 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:11.678 + 0.797 23
14 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:12.140 + 1.259 21
15 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:12.210 + 1.329 24

2022年F1サンパウロGPのイベント2日目、11月13日(土)は60分間のFP2に続いて日本時間28時より100kmの短距離レースで決勝のグリッドを争うスプリントが行われる。

2022年F1第21戦サンパウロGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:13.954 1:11.410 1:11.674 26
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:13.625 1:10.881 1:11.877 23
3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:14.427 1:11.318 1:12.059 24
4 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:13.106 1:11.377 1:12.263 25
5 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:14.680 1:10.890 1:12.357 24
6 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:14.663 1:11.587 1:12.425 22
7 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:13.542 1:11.394 1:12.504 21
8 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:13.403 1:11.539 1:12.611 25
9 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:13.613 1:11.456 1:15.601 26
10 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:14.486 1:10.950 DNF 25
11 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:14.324 1:11.631 21
12 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:14.371 1:11.675 24
13 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:13.597 1:11.678 23
14 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:14.931 1:12.140 21
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:14.398 1:12.210 24
16 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:15.095 13
17 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:15.197 12
18 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:15.486 13
19 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:16.264 12
20 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:16.361 12

コンディション

天気
気温19.1℃
路面温度27.1℃

セッション概要

グランプリ名 F1サンパウロGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 インテルラゴス・サーキット
設立 1936年
全長 4309m
コーナー数 15
周回方向 反時計回り

F1サンパウロGP特集