事故は本当にルクレールのミスだった? サインツに対するフェラーリの戦略判断は適切だった?懐疑的な声上がる
シャルル・ルクレールの今季3度目となるラップリード中のリタイヤは本当にドライバーのミスによるものだったのか? カルロス・サインツに対するフェラーリの戦略判断は適切だったのか?
2016年のF1ワールドチャンピオン、ニコ・ロズベルグは自らの責任と認めたルクレールに撤回すべきだと提言し、フェラーリに対しては「いい加減、そろそろ本腰を入れて」変革すべきと要求した。
F1第12戦フランスGPで隊列をリードしていたルクレールは、17周目のターン11でバリアに衝突。結果、タイトル争いのライバル、選手権リーダーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)ポール・リカールを制した。
非を認めたルクレールは撤回すべき
一件についてチーム代表のマッティア・ビノットは「正真正銘のドライバーエラーだった」と公に語り、ルクレール自身も確信はないとしつつも「あれは単にミスをしただけだ」と非を認めた。
これを受けてSky SportsのF1解説を務めるロズベルグは「あれが彼が責任だとするのは時期尚早だと思う。彼は撤回すべきだ」と述べ、クラッシュがルクレールのミスによるものかどうかは現時点で疑わしいと主張した。
「あんな風になるのは本当に異様なことだからね。というのもタイヤを温存していたわけで、全開プッシュしていたわけじゃないんだから」
「リアがああいう状態になるのは、ひとつには風の影響が考えられる。ちょうどあの瞬間にリア側から風が吹いたのかもしれない。運悪く突風や何かに見舞われると、その瞬間に突如ダウンフォースの20%が失われてしまう事もあるんだ」
「それに、エンジンがどうなっていたのかという点もある。ほんの僅かなカットや何かで、リヤが滑ってしまう事もあり得る」
「僕にはドライバーのミスだと思えない。時間をかけて調べる必要があると思う」
「それにシャルルがスロットルを操作できないって文句を言っていた点も少し奇妙だと思う。マシンは壊れていなそうだったし」
「フロントウイングが壊れていたのは恐らく、バリアに突っ込んだからだと思うけど、彼がコースに戻ってレースを続けようとしなかった事も驚きだった。何か起きていたのかは分からないけど」
フェラーリに必要なのは本気の変化
ルクレールのクラッシュに伴い導入されたセーフティーカーを機に、フェラーリはハードタイヤを履く僚友カルロス・サインツをピットインさせるも、アンセーフリリースを犯して5秒ペナルティを科された。
その後のセルジオ・ペレス(レッドブル)との3位争いの最中には、2回目のピットストップを巡ってステイアウトを指示したかと思えば、直後にピットインを指示するなど、戦略に対するその場しのぎ的な対応を晒した。
跳馬のピットウォールは結局、ペレス(レッドブル)をオーバーテイクしている”真っ最中”のサインツにピットインを指示。サインツは苦労してペレスを交わした直後の周の終わりにピットへと向かい「何でピットに入るんだか理解できない。引き離せたはずなのに」と不満を口にした。
ロズベルグは「サインツに対するフェラーリの戦略には首をかしげたよ。一体全体、彼らは何をやってるんだろうね?」と呆れた様子をみせ、ストラテジストの更迭など、ビノットに組織改革を要求した。
「彼がコース上で激しいバトルを繰り広げていた真っ只中に、チームはそれを見ずにピットストップタイムについて計算していたんだから」
「彼らはホイール・トゥ・ホイールの真っ最中にいる彼に話しかけていたんだ。何やってんだ?って思うよね」
「その時カルロスは3番手を走っていたんだ。そのまま問題なくステイアウトできただろうし、タイヤも最後まで大丈夫だったはずだ。2位を狙うルイスを捕まえるチャンスもあったはずなのに、フェラーリは彼をピットに入れた。あれじゃ4位以上のチャンスがあるわけもない」
「一体どうなってるんだ? いい加減、そろそろ何かを変えるべき時だと思う。本腰を入れてね」
「ピットストップさせて、最後までレースを行わず、更にペナルティが加算されるなんて…」
「あの判断は酷いかった。あれは酷い。説明できないよ。マティアは本当にその点を改善する必要があるし、今すぐ本気で変更を加えるべきだと思う」