2度の赤旗、ルクレールが今季2度目のPP!フェルスタッペンは落胆 / F1オーストラリアGP《予選》結果とダイジェスト
2022 FIA-F1世界選手権3戦オーストラリアGPの公式予選が4月9日にアルバート・パーク・サーキットで行われ、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが今季2度目のポールポジションを獲得した。
ルクレールは最終ラップで1分17秒868をマーク。唯一、17秒台に入れて2番手マックス・フェルスタッペンに0.286秒の大差をつけた。3番手にはセルジオ・ペレスが続き、レッドブル・レーシング勢がルクレール包囲網を築いた。
予選を終えたフェルスタッペンは「良い感じはしない。今週末はこれまで本当に良い感じじゃなかった。自信を持って走れたラップは一度もなかったと思う。少し手こずってるんだ。もちろん2番手は良い結果だけど、限界まで攻める事ができなかった」と落胆した様子を見せた。
注目のアルピーヌはフェルナンド・アロンソがQ3でクラッシュを喫した。2度のF1ワールドチャンピオンは第1セクターで自己ベスト、第2セクターで全体ベストを刻んだ後にターン11でバリアに衝突した。無線を通して、油圧が失われた結果、シフトダウンが出来なかったとフラストレーションをぶつけた。
アロンソはノータイム10番手に終わり、チームメイトのエステバン・オコンは8番手につけた。
Alonso is out of the car and appears to be okay 👍
He had just set the fastest middle sector of all, but his crash pauses the clock with seven minutes to go #AusGP #F1 pic.twitter.com/PcmbC3dOgG
— Formula 1 (@F1) April 9, 2022
赤旗が振られた結果、カルロス・サインツは計測ラップを放棄せざるを得ず、残された最終アタックではミスを喫して失意の9番手に終わった。
サインツの不運は他のミッドフィールダー達にアドバンテージを与えた。マクラーレンのランド・ノリスは4番手タイムをマーク。メルセデスのルイス・ハミルトンが5番手、ジョージ・ラッセルが6番手につけた。地元の英雄、ダニエル・リカルドは僚友ノリスから0.329秒遅れの7番手でクルマを降りた。
アルファタウリ勢はダブルQ2敗退に終わった。角田裕毅は1回目の計測ラップでグラベルに飛び出し、ラストチャンスに懸けたもののQ3には及ばず、12番手のピエール・ガスリー共々、最終ラウンドを前に姿を消した。
なお「不必要に低速走行」したとして、スチュワードは予選を終えて角田裕毅に今季3回目の戒告処分を科す裁定を下した。
予選Q1:ラティフィとストロールがクラッシュ
FP3に引き続き現地メルボルンは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温23.8℃、路面31.3℃、湿度55%、気圧1017.5hPaのドライコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリはC2、C3、C5の3種類のコンパウンドを持ち込んだ。一つ飛ばしの選択となったのは、シミュレーションの結果、C4のパフォーマンスがC3と近似する事が判明したためだ。
FP3でクラッシュを喫したアストンマーチン勢は、ランス・ストロールが残り数分で修復を終えてコースに向かったものの、再びクルマを壊してノータイムに終わった。
同郷のカナダ人ドライバー、ウィリアムズのニコラス・ラティフィはストロールを一旦前に出したものの、低速で前を走行したためにターン5の右側から追い抜こうとしたところ、ストロールがイン側に寄って接触。赤旗が振られ、残り2分1秒で時計の針が止められた。
ラティフィは一件について「アウトラップの準備のために追い越そうとしたら、彼が突っ込んできた。彼がラップを中断したのが見えたから、僕は自分の準備ラップに取り掛かろうとしただけだ。全ては映像で明らかだし、僕としてはこれ以上何も言う事はない」と説明した。
皮肉にもこの中断によってチームは5号車の修理を完了。3回のプラクティスを通して僅か23周しか走れていないベッテルは最終計測で18番手タイムを残した。
ウィリアムズのアレックス・アルボンは16番手タイムをマークした後、チェッカーを経てコース上にクルマを停めた。この結果、Q2開始時刻が更に遅れる事となった。
これは搭載していた燃料が枯渇するのを避けるため措置だった。ウィリアムズは予選後、FIAからの要求に従い1リットルの燃料サンプルを提供できず、アルボンは失格処分となった。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:18.580 | 7 | |
2 | ペレス | レッドブル | 1:18.834 | + 0.254 | 7 |
3 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.881 | + 0.301 | 5 |
4 | サインツ | フェラーリ | 1:18.983 | + 0.403 | 7 |
5 | アロンソ | アルピーヌ | 1:19.192 | + 0.612 | 6 |
6 | ボッタス | アルファロメオ | 1:19.251 | + 0.671 | 5 |
7 | ノリス | マクラーレン | 1:19.280 | + 0.700 | 6 |
8 | ハミルトン | メルセデス | 1:19.401 | + 0.821 | 8 |
9 | ラッセル | メルセデス | 1:19.405 | + 0.825 | 8 |
10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:19.580 | + 1.000 | 11 |
11 | オコン | アルピーヌ | 1:19.605 | + 1.025 | 9 |
12 | リカルド | マクラーレン | 1:19.665 | + 1.085 | 10 |
13 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:19.742 | + 1.162 | 10 |
14 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:19.910 | + 1.330 | 11 |
15 | シューマッハ | ハース | 1:20.104 | + 1.524 | 11 |
16 | アルボン | ウィリアムズ | 1:20.135 | + 1.555 | 11 |
17 | マグヌッセン | ハース | 1:20.254 | + 1.674 | 11 |
18 | ベッテル | アストンマーチン | 1:21.149 | + 2.569 | 3 |
19 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:21.372 | + 2.792 | 8 |
予選Q2:アルファタウリがW敗退
ペレスはQ2をトップタイムで通過した。ラッセルのコースオフに伴い振られた黄旗を無視した疑いがあるとして、セッション後に審議が行われたがお咎めなしの裁定が下った。
フェラーリ勢は1セット目に中古タイヤを履き、最終の計測で新品を装着。2-3番手でQ3に駒を進めた。
角田裕毅は1回目の計測ラップでグラベルに飛び出し、ラストチャンスに懸けたもののQ3には及ばず、12番手のガスリー共々、Q2敗退を喫した。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ペレス | レッドブル | 1:18.340 | 12 | |
2 | サインツ | フェラーリ | 1:18.469 | + 0.129 | 16 |
3 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.606 | + 0.266 | 13 |
4 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:18.611 | + 0.271 | 15 |
5 | アロンソ | アルピーヌ | 1:18.815 | + 0.475 | 13 |
6 | ノリス | マクラーレン | 1:19.066 | + 0.726 | 14 |
7 | ラッセル | メルセデス | 1:19.076 | + 0.736 | 17 |
8 | ハミルトン | メルセデス | 1:19.106 | + 0.766 | 18 |
9 | リカルド | マクラーレン | 1:19.130 | + 0.790 | 16 |
10 | オコン | アルピーヌ | 1:19.136 | + 0.796 | 17 |
11 | ガスリー | アルファタウリ | 1:19.226 | + 0.886 | 19 |
12 | ボッタス | アルファロメオ | 1:19.410 | + 1.070 | 13 |
13 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:19.424 | + 1.084 | 17 |
14 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:20.155 | + 1.815 | 16 |
15 | シューマッハ | ハース | 1:20.465 | + 2.125 | 19 |
予選Q3:アロンソがクラッシュ
太陽が地平線に近づき横からの日差しが強まった事を受け、フェルスタッペンやルクレールを含む一部のドライバーがバイザーを交換・調整してセッションに臨んだ。
アロンソは第1セクターで自己ベスト、第2セクターで全体ベストを刻み、2列目の可能性を見据えていたものの、メカニカルトラブルによってクラッシュを喫した。この結果、サインツとラッセルは計測ラップを断念せざるを得なかった。
1回目の計測を終えてルクレールが暫定ポールに立ち、ペレスがフェルスタッペンを1/1000秒差で退け2番手につけた。フェルスタッペンは苦手意識があるのか、第1・2セクターで全体ベストを刻んだものの、ターン13でタイヤをロックアップさせた。
フェルスタッペンは自己ベストを塗り替え暫定ポールを奪取したものの、ルクレールはこれを上回る走りでオーストラリアでの3年ぶりのポールシッターに輝いた。
2022年 F1オーストラリアグランプリ決勝レースは、日本時間4月10日(日)14時にスタート。1周5,279mのアルバート・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第3戦オーストラリアGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.881 | 1:18.606 | 1:17.868 | 21 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:18.580 | 1:18.611 | 1:18.154 | 21 |
3 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:18.834 | 1:18.340 | 1:18.240 | 21 |
4 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:19.280 | 1:19.066 | 1:18.703 | 20 |
5 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:19.401 | 1:19.106 | 1:18.825 | 28 |
6 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:19.405 | 1:19.076 | 1:18.933 | 26 |
7 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:19.665 | 1:19.130 | 1:19.032 | 22 |
8 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:19.605 | 1:19.136 | 1:19.061 | 23 |
9 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:18.983 | 1:18.469 | 1:19.408 | 22 |
10 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:19.192 | 1:18.815 | DNF | 15 |
11 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:19.580 | 1:19.226 | 19 | |
12 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:19.251 | 1:19.410 | 13 | |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:19.742 | 1:19.424 | 17 | |
14 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:19.910 | 1:20.155 | 16 | |
15 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:20.104 | 1:20.465 | 19 | |
NC | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:20.135 | 11 | ||
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:20.254 | 11 | ||
17 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:21.149 | 3 | ||
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:21.372 | 8 | ||
NC | 18 | ストロール | アストンマーチン | DNF | 2 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 23℃ |
路面温度 | 31℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1オーストラリアGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | アルバート・パーク・サーキット |
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設立 | 1996年 |
全長 | 5278m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |