新品のピレリF1タイヤの表面
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皮むき

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皮むきとは、タイヤが持つ本来の性能が得られるように行う慣らし走行の一種を指す。スクラブとも言う。

なぜ皮むきするの?

メーカー、製品によって違いがあるが、皮むきによる目的・効果は2種類ある。

一つは、新品タイヤのトレッド面に残存する離型剤などの滑りやすい物質を除去して本来のグリップが得られる状態にする事、そしてもう一つは、本格的に使用する前に一度熱入れを行う事によって、タイヤを構成する分子同士の結びつきを強固にして安定性を高める事だ。

タイヤ表面の離型剤剥がし

タイヤはその工程の一部で、モールド(金属製の型)と呼ばれる型に入れられ、窯の中で加熱・加圧される。その際、製品をきれいに外せるように、型にはシリコン製などの薬品からなる離型剤が塗られる。

これは実際の走行によって摩耗するまでトレッド面に残ってしまうため、トラクション性能を低下させる可能性がある。また、製造後の性能劣化を防ぐために酸化防止剤が塗布されている場合もあり、これも同様にグリップ不足の原因となり得る。

コンパウンドの安定化

また、1度ヒートサイクル(熱入れ→冷える)を経る事によって摩耗寿命を伸ばすと共に、グレイニングサーマル・デグラデーションなどのタイヤトラブルを予防したり、一貫した安定性のあるパフォーマンスを引き出す事が可能となる。

いつ皮むきしているの?

予選中にはしばしば、コースに出ながらもタイム計測を行わないままにピットに戻る場面がある。こんな時は、コースコンディションの見極めと合わせて、決勝レースを見据えた皮むきを行っている場合がある。無論、フリー走行中に行うこともある。