ホンダF1、電装系トラブル発生も16戦ぶりの全車トップ10「2列目独占からのレースが楽しみ」と田辺TD
14年ぶりにイモラ・サーキットで開催された2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGP公式予選に挑んだホンダF1パワーユニット(PU)勢は、4台全車が最終ラウンドのQ3に駒を進めて、決勝に向けて力強いグリッドを確保した。
最前列こそメルセデスに許したが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは3番手に付け、4番手には来季アルファタウリ残留が発表されたばかりのピエール・ガスリーが並んだ。フェルスタッペンはQ2でメカニカルトラブルに見舞われパワーを失う状況に追い込まれたが、メカニックの迅速な仕事によって無事にセッションへと戻った。
クリスチャン・ホーナー代表はこの不具合について、電気系統の問題がミスファイヤを引き起こしたと説明した。
TOP3インタビューに臨んだフェルスタッペンは「トラブルがあった事で少し手こずったし、Q3ではグリップも不足していた。最終的に3番手という結果だから悪くはないけど、個人的にはもう少しメルセデスと戦える事を期待していた」と語った。フェルスタッペンとボッタスとのギャップは0.567秒と大きな差だった。
今週末が来季シート獲得に向けたラストチャンスと見られているアレックス・アルボンは、5番手に付けたダニエル・リカルド(ルノー)に一歩届かず、6番手という結果に終わった。同じRB16を駆るフェルスタッペンとのギャップは0.396秒に達した。
先の3台に加えてダニール・クビアトが今季初のQ3進出で8番手を獲得した事から、ホンダPU勢としては全4台がトップ10に名を連ねる事となった。
ホンダF1パワーユニット搭載車両が4台共にQ3に進んだのは、昨年の第18戦メキシコGP以来、16戦ぶり。この時はフェルスタッペンが予選最速を刻んだものの、黄旗無視のために3グリッド降格となりポールポジションを奪われ、決勝では他車と接触するなどチャンスを失い6位に終わっている。
順位 | ドライバー | Q1 | Q2 | Q3 | 周 |
---|---|---|---|---|---|
3 | フェルスタッペン | 1:15.034 | 1:14.974 | 1:14.176 | 16 |
4 | ガスリー | 1:15.183 | 1:14.681 | 1:14.502 | 19 |
6 | アルボン | 1:15.402 | 1:14.745 | 1:14.572 | 21 |
8 | クビアト | 1:15.412 | 1:15.022 | 1:14.696 | 21 |
予選を終えたホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが一日を振り返り、決勝に向けての豊富と見通しを語った。
Honda:F1エミリア・ロマーニャGP予選
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
2日間開催となったF1エミリア・ロマーニャGPの初日は、90分で行われた午前中のフリープラクティスでマシンとパワーユニット(PU)の最適化に取り組み、午後に予選を戦うという忙しい一日になりました。短時間でセットアップを煮詰めなければならず、車体・PUともに事前の準備も含めて簡単ではありませんでした。
このような状況の中、予選ではホームグランプリのスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台が揃って今季ベストリザルトを獲得し、ホンダとしても昨年のF1メキシコGP以来となる4台揃ってのQ3進出を果たし、良い結果を残すことができました。
レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手は、Q2で電装系トラブルにより部品交換を余儀なくされ、1度のみのタイムアタックとなりましたが、きっちりとQ3進出を果たして3番グリッドを獲得してくれました。作業に取り組んだチームとホンダのメカニックは素晴らしい仕事をしてくれました。
ガスリー選手はここ最近の好調を維持して、自身のキャリア最高に並ぶ4番手獲得と素晴らしい走りでしたし、ホンダPUを搭載した2台のマシンが2列目からスタートする明日のレースを楽しみにしています。
また、レッドブル・レーシングのアルボン選手は6番手、スクーデリア・アルファタウリのクビアト選手は8番手で今年初のQ3進出を達成し、各々明日に向けて期待の持てる結果になりました。4台入賞が可能なポジションですので、きっちりとレースを走り切り、2チーム共にポジティブな結果で締め括れるよう、引き続き最大限プッシュしていきます。
ポールポジションは今季4度目の予選最速を刻んだバルテリ・ボッタス。2番手にはルイス・ハミルトンが続き、メルセデスがフロントローを独占した。2列目はホンダ勢が占拠し、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、4番手にピエール・ガスリー(アルファタウリ)が並ぶ。
2020年F1エミリア・ロマーニャ・グランプリの決勝レースは、日本時間11月1日(日)21時10分にスタート。1周4,909mのイモラ・サーキットを63周する事でチャンピオンシップを争う。
2020年F1エミリア・ロマーニャ・グランプリの決勝レースは、日本時間11月1日(日)21時10分にスタート。1周4,909mのイモラ・サーキットを63周する事でチャンピオンシップを争う。