イモラ・サーキットのピットレーン指示ラインとレッドブル・ホンダRB16
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ホンダ撤退後のレッドブルに暗雲…2022年以降のF1パワーユニット開発凍結に反対するルノーとフェラーリ

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ホンダ撤退後の後任パワーユニットに頭を抱えるレッドブル・レーシング及びスクーデリア・アルファタウリに暗雲が立ち込めている。ライバルのルノーとフェラーリは各々、2022年以降のF1パワーユニット開発凍結に反対する立場を明確にした。

2021年末限りでホンダ製F1パワーユニットを失うレッドブルとアルファタウリは、日本の自動車メーカーの知的財産権を含む各種資産を引き継ぎ、撤退後もホンダPUを継続使用する事を最優先事項に据えているが、それには最低2つの条件をクリアしなければならない。

例え資産を引き継いだとしても、英国ミルトンキーンズのチームに開発を進められるだけの予算やインフラ、技術力はないため、第一関門はレギュレーションによる2022年以降のパワーユニット開発の凍結を取り付ける事にある。これが確保できた場合に初めて、レッドブルはホンダとの本格的な交渉をスタートさせる。

第一関門突破のためにはライバルメーカーの理解と協力を取り付けることが必要不可欠だが、V6ハイブリッド・ターボ時代の王者メルセデスを除く他の2つのマニュファクチャラーは、パワーユニットの開発凍結に反対の立場を示している。

立場一転、開発凍結に反対するルノー

ルノーのシリル・アビテブール代表、2020年F1ポルトガルGPにて
ルノーのシリル・アビテブール代表 / © RENAULT SPORT

F1に参戦する4メーカーの中で最も低予算で運営されているルノーは以前、来季より導入される予算上限規制並びに、従来よりも公平な収益分配が期待される新たなコンコルド協定の合意に満足感を示す一方「それだけは十分ではない」として、パワーユニット開発の凍結を訴えていた。

しかしながら英Autosportが伝えたところによると、シリル・アビテブール代表はイモラでの週末に先立って、現時点で2026年の導入が予定される新たなPUソリューションの議論については前向きな姿勢を示したものの、PUの開発凍結については「半年前とは置かれた立場が明らかに違う」「受け入れられるものではない」として反対する考えを明らかにした。

ルノー・グループは今年9月、ルカ・デメオCEO新体制の下で「ルノー」「ダチア」「アルピーヌ」「ニューモビリティ」の4ブランドによるグループ再編計画を発表し、ルノーF1の責任者であるシリル・アビテブールをアルピーヌの執行責任者に抜擢した。こうした背景から、英国エンストンのチームは来季より「ルノー」の名を捨てて「アルピーヌF1チーム(Alpine F1 Team)」へと改称。新たな章をスタートさせる。

アビテブールは反対の理由の1つに、自社のPU開発計画を挙げた。ルノーのPU開発ファクトリーがあるヴィリー=シャティヨンでは目下、レッドブルが開発凍結を求める2022年用のエンジン開発に精力が注がれているという。

凍結はF1のDNAに反する、とフェラーリ

フェラーリCEOのルイス・カミッレーリ
フェラーリCEOのルイス・カミッレーリ / © Ferrari S.p.A.

反対姿勢を打ち出しているのはルノーだけではない。今季グリッドで最もパワーが劣ると考えられているスクーデリア・フェラーリもまた、開発の継続を求めている。

地元イタリアメディアによると、セルジオ・マルキオンネの死去に伴いフェラーリCEOを務めるルイス・カミッレーリはこの程、開発の凍結はF1のDNAに反するものであり、また、F1が今後計画しているバイオ燃料の含有割合の段階的増加に対応するためには各コンポーネントの開発が必要不可欠である、という2つの理由を挙げて、レッドブル陣営が推し進めようとしている開発凍結に異議を唱えた。

F1はホンダ撤退以前から、2023年シーズンよりPU開発を全面凍結する方向で話を進めており、これと並行してバイオ燃料の段階的引き上げを計画していた。現行のF1技術規約は最低5.75%のバイオ成分を燃料に含む事としており、既にバイオ燃料が使用されているが、F1は最終的にこの割合を100%とすべく、2022年に10%へと引き上げられる予定となっている。

私利私欲が見え隠れするこの場外戦は、どのような決着を見るのだろうか?

レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、仮にPUの開発凍結が実現しない場合は、ルノーかフェラーリのカスタマーとなるか、あるいはアルファタウリを含めて2チームでF1から去る可能性を示唆し、F1と国際自動車連盟(FIA)に対して圧力を掛けている。

レッドブル・ホンダRB16、2020年F1エミリア・ロマーニャGPにて
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