ピエール・ガスリー、2021年のレッドブル・ホンダ候補から除外された事に愕然
アルファタウリ・ホンダでの2021年続投が発表されたピエール・ガスリーは、アレックス・アルボンの後任として来季レッドブル・ホンダへの再昇格が見送られた理由が分からず、チーム首脳陣が自身の起用を考慮しなかった事に「驚いた」と語った。
ガスリーは昨年8月に伊ファエンツァのチームへの降格が命じられて以降、印象的な活躍を示してきた。特に、モンツァで開催された今年のイタリアGPでは、2008年のセバスチャン・ベッテル以来となる勝利をチームにもたらし、前戦ポルトガルGPでは中団グループ最上位となる5位フィニッシュを果たして、現在ドライバーズランキング9位につけている。
実績という点では、レッドブル・ホンダRB16に苦戦し続けチームメイトのマックス・フェルスタッペンに大きく劣る状況が続くアルボンの後任に最も相応しい人材の一人と考えられるが、クリスチャン・ホーナー代表やドライバー人事権を掌握するヘルムート・マルコは、ガスリーをトップチームに復帰させる事はないと断言していた。
ガスリーはF1第13戦エミリア・ロマーニャGPの開幕を前に行われたFIA会見の中で、自身が候補者リストに入らなかった事の十分な説明は受けていないと主張する共に、除外された事に愕然したと認めた。
「失望しているわけじゃなく、ただ驚いているだけだ」とガスリー。
「14年前にセブ(ベッテル)がトロロッソでレースに勝って以来、このチームで勝利を果たしたのは僕だけだ。セブは(その後)レッドブルに昇格し、チームと共に4つのタイトルを獲得した。だから、僕が考慮されていなかった事に驚いていると言わざるを得ない」
「トロロッソではこれまでに2回の表彰台を獲得しているし、今シーズンは上手くいっていると思う。僕にできることは、将来的のチャンスに繋がるように力強いパフォーマンスを発揮することだけだ」
イモラのパドックを歩くダニール・クビアト、フランツ・トスト、ピエール・ガスリー / © Red Bull Content Pool
クリスチャン・ホーナーは以前、ガスリー再昇格を除外する理由として、リブランドによってアルファタウリは”ジュニアチーム”から”姉妹チーム”へと立場を変化させており、今のファエンツァのチームにはガスリーのような経験豊富なトップドライバーが必要なのだと説明していたが、イモラの会見においても同様の説明を繰り返した。
ただしこれはメディアからの質問に答える形で公の場で発せられた説明であり、直にガスリーに向けられたものではない。ヘルムート・マルコから2021年の意思決定プロセスについて説明を受けたかと尋ねられたガスリーは、次のように答えた。
「彼らには彼らの戦略があるわけで、より詳しい説明を求めるのであれば、率直に彼らに尋ねた方が良いよ」
「僕の認識では、僕は今後長きに渡ってこのチームで続けていく事が明確にされているし、さっき言ったようにガッカリしているわけじゃないんだ。僕は高いレベルのパフォーマンスを発揮してスピードやスキル、そして自分の可能性を示すことができている」
「僕はまだ24歳だ。F1での目標はトップで戦い、チャンピオン争いをする事にあるけど、今のところは、着実に成果を残して、今のチームでできる最高の仕事をするだけだ。失望しているわけではないし、あと1年アルファタウリと一緒にいられることを本当に嬉しく思っている。このチームのためにベストを尽くし続けるよ」