アルファタウリ・ホンダ仕様のHondaJetの前で初優勝のトロフィーを手に笑顔を見せるピエール・ガスリーcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

ベッテル、初優勝の後輩ガスリーに祝電「僕らはトロロッソでただ2人のみのウィナー」

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アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、セーフティーカーと赤旗のタイミングが大波乱のレースを演出したモンツァでの劇的勝利を経て、レッドブルの先輩ドライバーであるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)から祝福の電話を受けた事を明らかにした。

ベッテルは遡ること12年前の2008年の雨のイタリアGPで、史上最年少記録を量産して当時スクーデリア・トロロッソと呼ばれていた伊ファエンツァのチームに初の優勝を授けており、ガスリーの優勝はチーム史上、2度目の快挙だった。

ウィナーズクラブへようこそ、とベッテル

フランス人ドライバーとしては1996年のモナコGPを制したオリビエ・パニス以来のF1ウィナーという事もあり、ガスリーはフランスのエマニュエル・マクロン大統領や、ネイマールやアントワーヌ・グリーズマン、キリアン・エムバペらサッカー選手、その他にもバスケットボール選手やテニス選手、サイクリストらから数え切れない数の祝福のメッセージを受け取った。

鳴り止まない電話の中には、ガスリーと同じようにトロロッソでキャリア初期を過ごし、その後レッドブル・レーシングへとステップアップして4度のF1ワールドタイトルを連取したベッテルからのものもあった。興奮冷めやらぬF1トスカーナGPのプレスカンファレンスに出席したガスリーは、その内容を次のように明かした。

「セブが月曜日に電話をくれたんだけど、その時に”僕らはこのチームで勝利を掴んだたった2人のドライバーだ”って言ってくれたんだ。御存知の通り、彼は2008年に優勝し、その後レッドブルに移籍して4度ワールドチャンピオンシップを制した。彼と一緒にこのチームの”ウィナーズクラブ”に加わわる事ができて本当に嬉しい」

ガスリーはF1昇格のチャンスがなく途方に暮れていたGP2時代に、アドバイスを求めて初めてベッテルにコンタクトを取り、それ以降は様々な場面で助言を受けている。参考:「ベッテルが親身になって 僕みたいな若造の相談に乗ってくれた

レッドブル昇格のチャンスがあれば受け入れる、とガスリー

ガスリーはトロロッソでの活躍が認められて2019年シーズンにレッドブルへの昇格を果たしたものの、成績不振を理由に僅か半年で古巣への出戻りを命じられてしまった。だが、その後任としてシニアチームに移ったアレックス・アルボンは、結果だけ見れば優勝はおろか表彰台にすら登れず、チームメイトのマックス・フェルスタッペン相手に大きく見劣りする状況が続いている。

ガスリーは、優勝後にレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表や、モータースポーツ・アドバイザーを努めるDr.ヘルムート・マルコと直接話をしてはいないとしながらも、トップチームに戻れるチャンスがあるのであれば、それを受け入れる考えを示した。

「僕は高い競争力を備えたドライバーだと思っている。それに前にも言ったけど、レーシングドライバー足る者は誰でも、可能な限りの最速マシンに乗りたいと願うものさ」とガスリーは語る。

「今の僕は高いレベルのパフォーマンスを発揮できていると思っているし、アルファタウリのマシンから最大限の性能を引き出しているとも感じているけど、僕の個人的な目標は、定期的に表彰台を目指して戦い、可能であれば優勝やチャンピオンシップを目指す事にある。僕の目標はいつだって最速のマシンに乗る事なんだ」

「あの時はそういった事について話す時間がなかったけど、ヘルムートとクリスチャンはモンツァで僕にお祝いのメッセージをくれた。2人とも僕の成功を本当に喜んでくれていた」

「(初優勝によって)将来的に何が変わるのかという事については本当に何も考えていないんだ。だから彼らとは何も話し合っていない」

「今後どのようなチャンスがあるのかについては様子を見ていくつもりだけど、今はただ、この時間をアルファタウリと共に祝う事に使いたいと思っている。年末まではまだまだレースが続くけど、非常に高いレベルで戦えるように頑張らなきゃならないし、今はそれに集中する必要がある」

殺到する取材依頼、ムジェロに向けた準備は問題ない?

F1史上109人目のウィナーとなったガスリーは、トリプルヘッダーの最終戦に向けて非常に慌ただしいスケジュールをこなしており、ムジェロでのレースに向けた準備不足が懸念されるところだが、本人はそんな心配を一蹴する。

「F1での初優勝だし、ここ数日はかなり慌ただしかったし未経験の事ばかりだったから、かなり精神的にキていた事は間違いない。でも一生に一度のことだから、当然やらなきゃならない事もあるし、それも僕の仕事の一部だし、今週末も先週と同じように締め括るのが僕の仕事だからね」とガスリーは付け加える。

「確かに月曜、火曜、水曜は本当に忙しかったけど、トレーニングもハードにこなしてきたし準備は全て整っている。今週末に向けての準備は万端さ」