ピエール・ガスリー、初優勝で注目される再昇格の可能性「レッドブル・ホンダ復帰の準備は整っている」
イタリアGPを制して初優勝を手にした事で、ピエール・ガスリーのレッドブル・ホンダ再昇格を支持する声が増える事は間違いないだろうが、当のガスリーは再びトップチームでレースをする事をどのように捉え、考えているのだろうか?
ダニエル・リカルドのルノーへの電撃移籍によって、2019年にトロ・ロッソからレッドブルへと抜擢されたガスリーであったが、成績が奮わないとして僅か5ヶ月で古巣へ降格させられてしまい、代わりにデビューイヤーのアレックス・アルボンが英国ミルトンキーンズのチームに加わった。
この仕打ちについて6度のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンは「アンフェアであり、成長するための時間を与えなかった」等として、チーム側のガスリーに対する扱いを非難した上で、こうした苦境に立たされながらも、ミッドフィルダーで腐ることなく努力を続けて、決して最速とは言えないマシンで勝利を掴み取ったガスリーを高く称賛した。
ガスリーが古巣のイタリアチームでキャリアを再構築する一方、後任としてレッドブル・ホンダのレギュラードライバーを務めるアルボンは困難なシーズンに耐えるばかりで、なかなか光明が掴めず、今季8戦を終えての獲得ポイントは48と伸び悩んでいる。一方のガスリーは43ポイントを獲得しており、その差は僅か5ポイントに過ぎない。
モンツァでの衝撃的な勝利の後に行われたトップ3カンファレンスの中でガスリーは、レッドブルのシートを再び手にする準備ができているかどうかについて問われ、次のように答えた。
「準備はできていると思う。でも決定を下すのは僕じゃない。トロ・ロッソに出戻って以降、僕はただ自分自身の事に集中して、適切なツールを手にした時に自分に何ができるのかを示す事に専念した」
「(2位表彰台を獲得した2019年の)ブラジルGPの事だけじゃなくて、大抵のレースではかなり強力なパフォーマンスを発揮してきたと思っているし、それについて僕は本当に満足している。凄く良かった予選もあれば、最高に上手くいったレースもあった。どうなるか様子を見てみようよ」
「トロ・ロッソにはこまで数多くの速いドライバーがいたけど、そんなチームで勝利を収める事ができた2人のうちの1人になれて本当に嬉しいんだ」
「もちろん、力強いリザルトは何らかの形で報われるべきだと思うけど、そういった事はこれからの話しさ」
「とにかく今はその件についてあまり考えたくはないな。なんたってF1での初勝利なんだから、今はこの瞬間をただ楽しみたい。あとで考える時間を取ってみるよ」
「トロロッソのF1の歴史の中で、優勝はこれまでに一度しかないわけだけど、フランツ(トスト代表)は僕に『ドライでやってのけた君を本当に誇りに思う』って言ってくれた」
ファエンツァのチームが優勝したのはミナルディ時代(1985年~2005年)を含めても2度しかない。前回はセバスチャン・ベッテルが雨のモンツァで史上最年記録を連発した2008年のイタリアGPであった。