リタイヤしなければフェルスタッペンは3連覇を達成できたのだろうか?
優勝候補に挙げられながらも、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが走る事を許されたのは、71周のレースのうちの僅か11周のみであった。25点の満額は夢に消え、フェルスタッペンはチームの母国レースをノースポイントで終えた。
メカニカルトラブルに見舞われる事なくレースを続けていたとしたら、若きオランダ人ドライバーはレッドブル・リンクでの3連覇を達成していただろうか? フェルスタッペンは、ポール・トゥ・ウインにひた走るバルテリ・ボッタスに挑戦できるだけのペースがRB16にあったとは考えていないようだ。
堅実なスタートを切りボッタスに次ぐ2番手を走行していたフェルスタッペンは、11周目のターン1に向けた加速中、まるで何かが切れたかのように突如としてスピードを失った。
「突然パワーとドライブが落ちてしまい、アンチストールに入ってしまったんだ」早々にレースを終えたフェルスタッペンはこのように説明した。
「何が問題なのかはまだ分からない…勿論、これから見つけ出すつもりだけど、望んだ形でのシーズンの開幕じゃなかった事は確かだ」
前日の予選ではメルセデスとの明らかな実力の差が露呈したものの、スタートタイヤを決するQ2で勝負に打って出た事で、フェルスタッペンは上位10台の中で唯一、ミディアムタイヤでスタートという武器を手に入れた。
これはライバルよりも柔軟性に富んだ戦略を可能にするものであり、暑い気温と相まってフェルスタッペンの3連覇を後押しする可能性があったわけだが、このアドバンテージを活かす機会は訪れなかった。
仮にトラブルなくレースを続行していたとしたら、フェルスタッペンは優勝に手が届いたのだろうか? フェルスタッペンは「いや」と答えた。
「去年とは違って上手くスタートできたけど、開始早々にバルテリ(ボッタス)の速さを目の当たりにして、優勝を争うのはかなり大変だとは思っていた。それでも表彰台は手堅いと感じていたし、3位なら開幕の結果としては悪くなかったと思うけど、あの状況じゃ何も出来やしない」
「でもまぁ、こうしたことが起こるのもレースだし、結果は変えられない。今週末のために懸命に努力していたみんなの事を思うと残念だけど、来週のレースに向けて切り替えなきゃね。次は良い結果になる事を願うよ」
"It would have been an easy podium"
Frustration for @Max33Verstappen after his early exit in Austria on Sunday 💬#AustrianGP 🇦🇹 #F1 pic.twitter.com/TqyPuoJi5h
— Formula 1 (@F1) July 5, 2020
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターはフェルスタッペンのリタイヤの原因について「電気系のトラブル」と説明している。
7月5日(日)にレッドブル・リンクで行われた2020年のF1開幕オーストリアグランプリ決勝レースでは、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスがポール・トゥ・ウインを飾った。2位はフェラーリのシャルル・ルクレール、3位表彰台にはマクラーレンのランド・ノリスが滑り込んだ。