フェラーリ「ベッテルとの契約延長が最優先事項」の一方で「対ルクレール優遇期間は終了」
ウィンターブレイク中に最も多くの注目を集めたニュースの一つは、セバスチャン・ベッテルの去就についてのものだった。4度のF1ワールドチャンピオンが古巣レッドブルに接触し、復帰の可能性を探っていた事実がヘルムート・マルコによって明らかにされたわけだが、マラネッロはベッテルとの契約延長を最優先事項に据えている。
フェラーリはベッテルとの契約更新を望んでいる…内部事情に詳しいイタリア人ジャーナリストのレオ・トゥリーニがそう明かしたのと同じ日、マッティア・ビノット代表は2020年の新車「SF1000」のプレゼンテーションイベントにおいて、来季以降のシャルル・ルクレールのチームメイトに相応しいのはベッテルだとの考えを示した。
今シーズン末を以て契約が切れるベッテル以外の大物としては、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが挙げられる。今週中にもメルセデス側との契約交渉がスタートするとも報じられているが、マッティア・ビノット代表はハミルトンとの交渉の可能性について問われると次のように返した。
「現時点ではセブが我々の第一希望だ。我々は今その事について彼と議論している最中であり、今後も話し合いを続けていくつもりだ。今のところ、彼との契約延長が我々の最優先事項だ」
マッティア・ビノット代表は交渉の最終期限について明言を避けたが、昨年末の時点では「スペインGPの前後、つまり5月上旬頃までに2021年の目的地を知りたいと考えている」と述べており、早期にラインナップを確定させたいとの意向を覗かせている。
チーム側から残留を求められる立場にあるベッテルだが、決して居心地が良いわけではない。遅かれ早かれ、将来有望なルクレール中心のチーム作りが進められる事は疑いなく、また、昨年とは異なりフェラーリは今年、ベッテルとルクレールを完全に対等に扱う方針を固めている。
2019年シーズンの開幕前、マッティア・ビノット代表は五分五分の状況においては、ルクレールよりも経験豊富なベッテルを戦略面で優位に扱うとしていたが、今シーズンはそういった特殊ルールは適用されず、優遇期間は終了する。
「状況は変わった」とマッティア・ビノット代表。「シャルルは我々とともに一年間の経験を積んだ。2人は今後、同じ水準に立つ事になるだろうし、前に出るために互いに戦う事が許される。彼らにレースをさせるつもりだ」