セバスチャン・ベッテルとピエール・ガスリーとアレックス・アルボン、2020年FISアルペンスキーワールドカップ・オーストリア大会にて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル、セバスチャン・ベッテルの出戻り移籍の可能性を除外

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2021年は技術・財務・競技の全てのレギュレーションが改定されるだけでなく、ドライバーマーケットが大きく変動する可能性がある。注目度の高いマックス・フェルスタッペンとシャルル・ルクレールは各々既に、所属先チームとの契約更新を済ませているが、全20個あるシートのうちの15個はまだ未定だ。

スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、2020年末を以て跳馬との間の現行契約が満了を迎える。マラネッロは先日、ベッテルのチームメイトであるルクレールとの契約を2024年まで延長。若きモナコ人を将来のリードドライバーに据えようとしている事は明らかであり、ベッテルの去就に注目が集まっている。

昨シーズンのF1では、ベッテルの早期引退に関する憶測が度々紙面を賑わせた。依然として2020年末で現役生活にピリオドを打つ可能性はあるものの、ベッテルは新たな時代のレギュレーションに興味関心を示しており、F1でのレース活動を続行する意志をにじませている。

フェラーリ残留の道が険しい以上、ベッテルは他のチームに目を向ける必要があるが、候補はどのチームなのだろうか? 残念ながら、昨年よりホンダ製パワーユニットを搭載する古巣レッドブル・レーシングに出戻る可能性は非常に少ないようだ。

レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはこの程、Motorsport-Magazinとのインタビューの中で「我々はマックスとの契約を延長した。チーム内に(ベッテルとフェルスタッペンの)2人がいる状況は想像出来ない」と述べ、ベッテルファンの失望を誘った。

フェラーリへと移籍した事で、ベッテルの年俸はレッドブル時代よりも大きく増加しており、ルイス・ハミルトンに次ぐ年間45億円程度を手にしているとみられている。ヘルムート・マルコは「財政的にもかなり難しい」と語り、今のベッテルを雇えるだけの莫大な資金を確保する事は難しいとの見解を示した。

ベッテルのレッドブル復帰の可能性を除外したものの、ヘルムート・マルコは「自身のドライビングスタイルに合うマシンを手に入れられれば、セバスチャンが今もトップレベルで戦えるのは間違いない」と述べ、ルクレールを主体としたチームに傾きつつある今のフェラーリにおいて、ベッテルが再び主役の座を獲得できない理由はないとの考えを示した。

ただその一方で「セバスチャンは極めて率直なアスリートであり、政治的な物事に関わりたくないと考えるタイプだ。一方のルクレールは、そういった分野で腕の立つ(ニコラ)トッドがマネージャーに就いているわけだから、有利な立場にあると言える」とも述べ、かつての戦友に注意を促した。