3月17日日曜に開催された2019 FIA F1開幕オーストラリアGP決勝レースで、レッドブル・ホンダ勢が全区間でメルセデスやフェラーリを上回る最高速度トップを記録。2019年仕様のホンダ製F1パワーユニット「RA619H」のポテンシャルの高さを感じさせた。

アルバート・パーク・サーキットのホームストレート終端、ターン1の123m手前の地点で計測されるスピードトラップでは、10号車ピエール・ガスリーが時速321.9kmでトップ。フィニッシュラインでもガスリーが時速310.2kmで最速を刻んだ。

ターン6手前の第1中間地点では、33号車のマックス・フェルスタッペンが時速281.7kmでトップ。ターン11手前の第2中間地点では、ガスリーが時速304.2kmをマークして再びランキングトップに立った。

スリップストリームやDRSの有無、ブレーキのタイミング、リフト&コーストの実施状況等、諸条件によって計測される速度は大きく変わるものの、”GP2エンジン”では検知4箇所全てで最速を記録する事は不可能。開発の成果の表れと捉えて差し支えないだろう。それは、同じエンジンを搭載するスクーデリア・トロロッソが、レッドブルに次ぐ速度を刻んでいる点からも伺える。

基本的には、集団の中でバトルをしているマシンの方が、より強力なエンジンモードの使用許可が下りやすい事もあり、最高速度が高くなる傾向がある。各検知点毎に、チーム別の最高速度をグラフで見てみよう。

チーム別スピードトラップ

トップのレッドブル・ホンダに続いたのは姉妹チームのトロ・ロッソ。ドライバー別では、1位がガスリーで2位にフェルスタッペン、3位にダニール・クビアトとレーシングポイントのランス・ストロールが続いた。タイヤに苦しみ、メルセデスに置いてけぼりにされたフェラーリ勢が下位に沈んでいるのも興味深い。

チーム別フィニッシュライン速度

スピードトラップよりも諸変数の影響を受けにくいフィニッシュライン速度でもホンダエンジン勢が1-2。数台分のスリップを使うことの出来た優位性か。ガスリーがトロロッソの最高速を記録したダニール・クビアトを引き離した。

下位を走行していたウィリアムズはスリップなしでの速度と考えられるため、スリップを使っていれば順位が入れ替わっていた可能性もありそうだ。

チーム別第1中間地点速度

トロ・ロッソが唯一3番手に甘んじ、ホンダ勢の1-2体制が崩れたのが第一中間地点。1-2フィニッシュを飾ったメルセデスに2位の座を明け渡した。

ハードブレーキングの手前に位置しているため、燃料あるいはタイヤをセーブするためにリフト・アンド・コーストをしていたチーム、もしくは制動時のスタビリティが悪いチームは早めに減速している可能性がある。

チーム別第2中間地点速度

緩やかな左カーブの先にある第二中間地点。中速域でのパフォーマンスの高さを示すように、レッドブル・ホンダが他を圧倒した。グラフで見ると、レッドブルの突き抜けっぷりが心地良い。メルセデスは1-2安泰の状況であったため、無駄にプッシュする必要がなかった点は考慮する必要がある。

ドライバー別スピードトラップ

長くなってしまうので、スピードトラップのみドライバー別の速度ランキングをまとめておく。

F1オーストラリアGP特集