
キャデラックF1チーム
チームデータ
| チーム名 | キャデラックF1チーム |
|---|---|
| 国籍 | アメリカ |
| 本拠地 | インディアナ州フィッシャーズ |
| 参戦初年度 | 2026年 |
| WEBサイト | www.cadillacf1team.com |
| SNS | x instagram |
キャデラックF1チーム(英:Cadillac Formula 1 Team)は、2026年シーズンからFIA-F1世界選手権に参戦するレーシングコンストラクター。米国の大手自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)とTWGモータースポーツの共同プロジェクトとして運営される。
参戦当初はフェラーリ製パワーユニット(PU)とギヤボックスを搭載するが、GM自社開発の独自PUへ切り替える計画を進めており、すでにFIAに対して2029年以降のPUサプライヤーとして登録を済ませている。
1950〜1960年のF1世界選手権創設初期には、インディ500がカレンダーに含まれており、この時期にキャデラックV8を搭載したKurtis Kraftが1952年と1953年に出場を試みたが、いずれも予選不通過に終わった。したがって、2026年の開幕戦が実質的なキャデラックのF1初参戦となる。
組織体制と首脳陣
運営母体はTWGグローバル傘下のTWGモータースポーツ。インディカー、NASCAR、IMSAなど複数カテゴリーで活動する多角的組織で、ダン・タウリスがCEOを務める。
参戦初年度は、F1ランキング2位の実績を持つセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスをドライバーラインナップに据える。テストドライバーはコルトン・ハータ。シモン・パジェノー、ピエトロ・フィッティパルディ、チャーリー・イーストウッド、アレック・ユーデルがシミュレータードライバーとして車体開発をサポートする。
チーム代表は、かつてマルシャを率いたグレアム・ロードン。技術面では、元ルノーのニック・チェスター(CTO)、ロブ・ホワイト(COO)、さらにF1の元CTOパット・シモンズが執行技術顧問として参加。現場運営は元ハースのピーター・クロラが担い、1978年のF1ワールドチャンピオン、マリオ・アンドレッティが取締役に名を連ねる。
拠点は米国と英国に分散。車体の主要開発拠点はインディアナ州フィッシャーズ、レースチームの拠点は英国シルバーストン、そしてPU開発はノースカロライナ州で行われる。また、風洞実験にはトヨタが所有するドイツ・ケルンの施設を活用する。
PUの開発はGMのパフォーマンス・パワーユニット部門「GM Performance Power Units LLC」が主導。GMパフォーマンス部門責任者ラス・オブレンズがプロジェクトを率いる。
参戦の狙い
キャデラックのF1参戦は、米国市場におけるF1人気の急上昇(年間3戦開催)を背景に、プレミアムブランドとしての価値向上と技術訴求を狙ったものだ。
2026年に導入される新レギュレーションは空力やエネルギーマネジメントの考え方を刷新するもので、既存勢力の優位が薄れる初期フェーズは新規参入チームにとって好機となる。キャデラックはこのタイミングを狙ってF1に挑む。
参戦への経緯
発端はアンドレッティ家によるF1参戦計画だった。著名インディカーチーム、アンドレッティ・オートスポーツ(現アンドレッティ・グローバル)のオーナーでもあるマイケル・アンドレッティは2018年にフォース・インディア買収を試みたが、実現せず。その後2021年にはザウバー買収にも動いたが、支配権の問題から断念した。
それでも参入を諦めず、2022年初頭、保険サービス大手「Group 1001」や資産運用会社「グッゲンハイム・パートナーズ」のダン・タウリスCEOと組んで新規チーム設立に舵を切った。「Group 1001」は62社もの子会社を抱え、売上高は6億7,000万ドル、約770億円を超える。グッゲンハイム・パートナーズは、総額2,850億ドル超、約40兆円の資産を運用している。
そしてFIAが2023年2月2日に新規参戦チームの募集(関心表明プロセス)を開始すると、ゼネラルモーターズ(GM)と提携し、「アンドレッティ・キャデラックチーム」としてこれにエントリー。2023年10月2日に承認を得た。
しかしながら、F1の商業権を持つリバティ・メディアが所有するフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は2024年2月1日、主に5つの理由を挙げてアンドレッティ・キャデラックチームの申請を却下した。
これに反発したアンドレッティ側は、同年4月にシルバーストンに新ファクトリーを完成させるなど参戦準備を進める一方、米国議会議員12名がF1の決定を「反トラスト法違反の可能性がある」と懸念を表明し、米司法省も調査に着手した。
その後、2024年9月にマイケル・アンドレッティがアンドレッティ・グローバルCEOを退任。さらに、同年末にアンドレッティと対立していたF1のグレッグ・マフェイCEOも退任することが発表され、状況が一変。2024年11月にTWGグローバルがアンドレッティ・グローバルを買収し、同月25日にF1は2026年からキャデラックを“11番目のチーム”として受け入れることで原則合意したと発表した。
そして2025年3月7日、キャデラックが2026年シーズンから正式に参戦することが承認された。