モンツァ・サーキットで開催される2021年F1イタリアGPに投入されるスペシャルリバリーのアルファロメオC41jpg (6)
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金銭面は無関係…ザウバーF1買収破談の原因は「コントロールの問題」とアンドレッティ

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ザウバー買収によるF1参戦計画が頓挫した理由についてマイケル・アンドレッティは、資金面が障害になったとの噂を退け「コントロールの問題」だと説明した。

インディカーに参戦するアンドレッティ・オートスポーツのCEOは11月4日(木)、アルファロメオを冠スポンサーとするスイス・ヒンウィルに本拠を構えるF1チームの株式取得に関する交渉の一端を明かした。

コルトン・ハータとマイケル・アンドレッティ、2021年9月27日インディカー・シリーズ最終ロングビーチにてCourtesy Of INDYCAR

コルトン・ハータとマイケル・アンドレッティ、2021年9月27日インディカー・シリーズ最終ロングビーチにて

報道ではザウバーを保有するイスレロ・インベストメンツが3億5千万ユーロ(約462億円)を提示した上で、今後5年間に渡って年間5,000万ドル(約57億円)の保証を前払いするよう求めたとされており、金銭面がネックになって交渉が決裂したとの見方が広がった。

だがThe Raceによるとマイケル・アンドレッティは「財務的理由で買収が失敗したとの噂に終止符を打ちたいと思う。それは事実とまるでかけ離れている」と述べ、買収後のチームに対してどの程度の支配力を持てるのかという疑念が完全に晴れなかった事が直接的な原因だと説明した。

「それよりコントロールに関する問題があったのだ。残念ながら交渉の最終段階でこれに関する問題が発生してしまった。その契約内容は受け入れ難いもので、断念せざるを得なかった」

米国に本社を構えるF1のオーナー、リバティメディアはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に加えて来季よりマイアミでグランプリを開催するなど積極的にアメリカ市場を開拓しているが、アンドレッティによると同社は今回の件に関与していないという。

「もちろん、それを望んでいると思うが、彼らからの助けはなかった。(実現していれば)大きな話題になったであろうだけに残念だ」

アンドレッティはかつて2018年にフォースインディアの買収を試み、ハースとも交渉の席を持った。そして今回、ザウバーの買収を断念した。だがF1参戦計画を完全に放棄したわけではない。

1991年のCARTチャンピオンは「私は諦めない」「他のチャンスを見ていくつもりだ」と述べ、引き続きF1参戦を目指していく考えを示した。

また、アンドレッティは米国オープンホイール界の若きホープ、コルトン・ハータをF1デビューさせる意向であった事を認めた。買収交渉がまとまった場合はハータをF1に転向させ、その代わりに2021年のインディライツ王者、カイル・カークウッドを後任に充てる計画だったと言う。

なおアンドレッティは来季インディカーの4台目のドライバーとして、10月25日のテストに参加した2021年インディライツ6位のデブリン・デフランセスコを起用する事を発表した。