2戦で5回の大クラッシュ…ウィリアムズ、F1ラスベガスGPの車体スペックに暗雲
メキシコとサンパウロの僅か2戦で計5回のクラッシュに見舞われたことで、ウィリアムズは次戦ラスベガスGPまでに、2台分の最新仕様のパーツを揃えられるか不透明な状況にある。
アレックス・アルボンはメキシコGPのフリー走行でオリバー・ベアマンと、そして決勝では角田裕毅(RB)と接触し、クルマに大きなダメージを負った。
また、翌戦のサンパウロGPでは予選で激しいクラッシュを喫し、クルマの修復が間に合わなかったためレースの欠場を余儀なくされた。
フランコ・コラピントはサンパウロの予選と決勝で立て続けにバリアに衝突し、レースでは赤旗中断を呼び込んだ。
過去には、2023年のオーストラリアGPでも事故によりシャシーが不足し、チームがアルボンの車体修復を優先したためにローガン・サージェントがレースの欠場を強いられる事態が起きたが、ウィリアムズは再び深刻なパーツ不足に直面している。
ブラジルでの3日間についてチーム代表のジェームズ・ヴァウルズは「おそらく、私のキャリア全体を通じて最も過酷な週末だった」と振り返り、「2戦連続で5回もの大きなクラッシュに耐えられるチームはない」とも述べ、現時点ではラスベガスGPまでに最新仕様のクルマを2台用意できるか不透明な状況だと認めた。
不幸中の幸いだったのは、ラスベガスGPまで3週間の空きがあることだろう。仮に翌戦が1週間後であった場合、ウィリアムズはシーズン序盤のスペックで週末に臨まなければならなかったはずだ。
とは言え、チームの本拠イギリスから北米までの移動時間は長く、準備期間としては3週間に満たない。
2台分のパーツが用意できない場合、アルボンの車体を優先して最新仕様に仕上げ、残りのパーツでコラピントの車体を組み上げる可能性が考えられるが、ヴァウルズは「どうなるかを予想するのは難しい」としつつも、「2台のクルマを可能な限り最高の仕様にするために全力を尽くすつもりだ」としている。