インテルラゴス・サーキットのコースに立つフランコ・コラピント(ウィリアムズ)、2024年10月31日F1サンパウロGP
Courtesy Of Williams

意味深なホーナー訪問を経てウィリアムズF1、コラピントを巡る”複数チーム”との協議 認める

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レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表がウィリアムズのホスピタリティを訪問する様子が目撃されて数時間後、ジェームズ・ヴァウルズ代表は、フランコ・コラピントの将来の可能性を巡って「複数チーム」と協議していると認めた。

21歳のアルゼンチン人ドライバーは今年8月、ローガン・サージェントに代わってウィリアムズに加わった。以降の5戦では安定的な走りを見せており、デビュー2戦目のアゼルバイジャンでは8位入賞を果たした。F1の歴史上、最初の3レースでトップ12に入った南米人ドライバーはコラピントしかいない。

アルゼンチンでの熱狂ぶりは凄まじく、同国の一部メディアではサッカー界の至宝、リオネル・メッシと比較する向きもあり、早くもコラピントは天才扱いされている。

しかしながら、ウィリアムズは既にアレックス・アルボンの新たなチームメイトとしてカルロス・サインツの加入を発表しているため、コラピントが来季も同チームのクルマをドライブする可能性はない。

一方で、幾つかのライバルチームはコラピントの獲得に向けてウィリアムズに接触している。

サンパウロGPの初日を迎えたインテルラゴスで、コラピントにオファーが来る可能性について尋ねられたヴァウルズは「私が言えるのは、我々は現在、興味を示している複数のチームと可能性を探っているということだけだ。それ以上のことは言えない。ここで憶測を巡らせる以上のことを口にするのは間違いだからだ」と語った。

「何かあれば、喜んで話すつもりだ。なぜなら、彼は並外れたドライバーだからね。本当にそう思う」

「外を見てほしい。キャリア5戦を消化したばかりのドライバーを応援するために、何万人もの人々がここに集まっている」

「彼はコース上で素晴らしい仕事をしている。そして、最初から言っているように、自分の立ち位置を固めることができれば、自ずとチャンスは巡ってくる」

他チームへの移籍の最たる障害は、ウィリアムズとの契約だ。ウィリアムズとしては当然に、レンタル移籍を希望する一方、ライバルチームはコラピントの完全放出を希望することになる。

ヴァウルズは、「彼が21歳であるという事実を考慮すると、私には正しいことをする責任がある。ニュースがあれば世界に発信したいと思っているが、今はまだ話すことはあまりない」と続けた。

目下、最大のチャンスは、2025年に向けた事実上、唯一の欠員チームであるザウバーだが、イベント初日を迎えたインテルラゴスでは、ホーナーがウィリアムズのホスピタリティから去る様子が目撃された。

モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、獲得の可能性は限りなく低いと認めているが、ホーナーを含めてレッドブルの首脳陣は、コラピントとの接触を仄めかしている。

ホーナーが訪問した理由について尋ねられたヴァウルズは、「我々は最近、(チームのスポンサーである)ガルフが提供する新しいコーヒーのスポンサー、Reviverと契約したばかりでね。それで彼はどうしてもそれを飲んでみたかったんだ。会話の大部分はそんな内容で、ご満悦だったよ」と冗談を交えて返した。

また、コラピントを完全に手放す可能性については、「簡単な話ではない。F1チーム同士の交渉はコース上での競争もあるため複雑だが、若手ドライバーのキャリアのために解決策を探している」とした上で、「私は彼とウィリアムズの双方に責任がある」と語り、今シーズンの最終戦アブダビGPまでには解決できるはずだと付け加えた。

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