ホーナーのウィリアムズ訪問、コラピントではない「別のレッドブル移籍交渉説」が浮上
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表がインテルラゴスのパドックで、ウィリアムズのモーターホームを訪問した件について、フランコ・コラピントではなくカルロス・サインツの獲得に向けた交渉のためではとの説がある。
F1第21戦サンパウロGPのイベント初日、ホーナーがウィリアムズのホスピタリティから去る様子が目撃されたことで、コラピントのRBまたはレッドブル入りの憶測が過熱した。
その数時間後に行われたFIA公式記者会見では、南米メディアが多数出席したこともあり、コラピントに関する数々の質問がウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表に投げかけられた。
ホーナーが訪ねてきた理由についてヴァウルズは、「我々は最近、(チームのスポンサーである)ガルフが提供する新しいコーヒーのスポンサー、Reviverと契約したばかりでね。それで彼はどうしてもそれを飲んでみたかったというわけだ。会話の大部分はそんな内容で、ご満悦だったよ」と冗談を交えて返した。
21歳のアルゼンチン人ドライバーは今年8月、ローガン・サージェントに代わってウィリアムズに加わると、以降の5戦で2回のポイント獲得を果たす活躍を見せている。
パドックはもとより、アルゼンチン国内の熱狂ぶりは凄まじく、同国の一部メディアではサッカー界の至宝、リオネル・メッシと比較する向きもあるほどに関心が高まっている。
ホーナーとヘルムート・マルコはともに、コラピントに接触したことを事実上、認めており、訪問はコラピント獲得に向けた話し合いの一環との見方が広まったが、HRTとロータスから参戦した元F1ドライバー、英Sky Sportsで解説を務めるカルン・チャンドックは、この会談には別の目的があった可能性があると指摘した。
チャンドックはSNSに「もし僕がホーナーなら、ウィリアムズにコラピントをキープさせ、サインツをレッドブルに迎え入れられるよう、価格交渉するだろうね」と投稿した。
「もちろん、マックス陣営がサインツを求めていないのは承知してるけど、二人がチームメイトだったのは10年前だ(いい加減、もういいだろ!)。それに、今年は二人のドライバーが揃ってポイントを得点する必要があることが示されたわけだしね」
ルイス・ハミルトンの移籍によりサインツがフェラーリのシートを失うと、レッドブルはサインツの獲得に向けて動いたが、両者が合意に至ることはなく、レッドブルは6月にセルジオ・ペレスとの2年の契約延長を発表。ウィリアムズはその翌月に、延長オプション付きのサインツとの2年契約を発表した。
トロ・ロッソ時代のマックス・フェルスタッペンとサインツは、親同士が度々、衝突しており、合意に至らなかった要因の一つは、レッドブル首脳陣がチーム内の不安定化を懸念したためと見られている。
いずれにせよ、当初、放棄したサインツ獲得案を再度、検討するとあれば、何らかの決定的な変化があったと考えるべきだろう。
それが何であるかについては無数の可能性が考えられるが、1週間前のメキシコでサインツは、他を圧倒する速さでポールポジションを獲得し、レースでは一時、ラップリーダーの座を奪われるも、コース上でフェルスタッペンを抜き去り、キャリア初のシーズン2勝を挙げた。
マルコによれば、ペレスは少なくとも2024年の最終アブダビGPまではレッドブルで走るものの、来季以降については、ポストシーズン・テストでのアイザック・ハジャーや角田裕毅、リアム・ローソンのパフォーマンス等を踏まえた上で、オフシーズン中に再度、検討される予定だ。