カルロス・サインツ「オプション付き2年契約」で2025年にウィリアムズF1に移籍
カルロス・サインツ(フェラーリ)が2025年に向けて、低迷からの復権を目指すイギリスの名門、ウィリアムズに移籍することがF1第14戦ベルギーGPの翌日、7月29日(月)に発表された。チームによると延長オプション付きの2025年と2026年を含む「2年契約」だ。
これにより今季末限りで契約が満了するローガン・サージェントはシートを失う。2023年にウィリアムズでF1デビューを果たした23歳のアメリカ人ドライバーは僚友アレックス・アルボンに対して総合的に劣っており、来季に向けて他のシートを獲得することは難しく、F1キャリアの終わりは現実的とみられる。
3度のグランプリウィナーであるサインツは今年2月、所属先のフェラーリが2025年に向けてルイス・ハミルトン(メルセデス)と契約することを決定したためシートを失った。29歳のスペイン人ドライバーには、アルピーヌや、2026年にアウディのファクトリーチームとなるザウバーへの移籍のチャンスがあったが、選んだのはウィリアムズだった。
サインツは「F1キャリアを続ける上でウィリアムズが最適なチームだと完全に確信している。幼少の頃の僕にとっての数多くのヒーローたちがドライブし、F1に足跡を残した歴史的かつ成功したチームに加入できることを本当に誇らしく思う」と語った。
また、「僕は興奮と前向きな気持ちを持って、このチームを本来の位置であるグリッド前戦に戻すという最終目標を受け入れ挑戦していく。このチームには再び歴史を作るためのあらゆる要素が揃っていると確信している。1月1日からチームのメンバー、一人ひとりとともに、ウィリアムズを前進させるために全力を尽くす」とも語った。
2か月前に契約を延長したばかりのセルジオ・ペレスが成績不振によりシートを失うリスクに直面しているとされるにも関わらず、レッドブルはマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてサインツを検討しなかった。
初のF1タイトルの獲得に拘るサインツは将来的にレッドブルやメルセデス等のトップチームのシートが空いた場合に備えて、新たなチームとの契約に解除条項を望んでいたとされる。チーム代表を務めるジェームズ・ヴァウルズはサインツとの契約にそうした内容を入れ込む可能性を除外していたが、特別解除条項付きとの噂が正式発表を前に一部で流れた。
ウィリアムズへのサインツの加入についてヴァウルズは「両者の強い意志を示すものだ。カルロスは優勝経験を持つグリッド上で最も才能あるドライバーの一人だ。これは我々が進んでいる右肩上がりの歩みが正しいことを強調している。経験や競争力のみならずカルロスは、チームとクルマからミリ秒単位でも多くを引き出そうとする強烈な意欲も持ち合わせている」と述べた。
サインツは複数年契約を結んでいる英国生まれのタイ人ドライバー、アルボンと初のコンビを組むことになる。両者はともにレッドブルジュニアチームの出身だ。
ヴァウルズは「アレックスとカルロスの組み合わせはグリッド上で最も強力なドライバーラインナップの1つだ。2026年の新レギュレーションに向けて、豊富な経験を生かして我々を導いてくれるだろう。チームに対する2人の信任は、舞台裏で多くの作業が行われていることを示している」と語る。
「我々は競争力を取り戻す旅を続けている。我々の野望と勢いが疑われる余地はない。我々はここにいる。本気だ。そしてドリルトンの支援を受け、グリッドのトップに戻るために必要な投資を行っている」