F1シンガポールGP木曜記者会見に出席したフェラーリのキミ・ライコネンcopyright Ferrari S.p.A.

何故キミ・ライコネンはタイトル争いの望み無きザウバーに移籍し、F1での現役続行を選んだのか?

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キミ・ライコネンは何故ザウバーへの移籍を決断したのか?タイトル争いの望みがない中堅チームと契約を結んでまでF1での現役続行を決断したのは何故なのか?

スクーデリア・フェラーリは9月11日、安定的に表彰台を獲得し続けているキミ・ライコネンとの契約を更新せず、育成傘下の若手シャルル・ルクレールを2019年のドライバーとして起用する事を発表。F1イタリアGPの週末にシート喪失を言い渡されたライコネンは、ザウバーとの交渉をスタート。大方の予想を裏切る形で2001年のデビューチームへの移籍を決断し、2020年まで現役を続行する事を選んだ。

F1シンガポールGPのために現地入りしたライコネンは、ルイス・ハミルトン、ケビン・マグヌッセン、ブレンドン・ハートレーと共に定例の木曜記者会見に出席。現役続行の意図と真意を聞き出そうとするメディアからの質問がライコネンに集中した。何故ザウバーへの移籍を決めたのかについて問われたライコネンは次のように答えた。

「何が起きたかについてはご存知の通りだよ。皆が僕に何を聞きたがってるのか知らないけど、こういう形に収まった。それだけの事さ。以前から何度も言ってるように、ラインナップは僕が決める事じゃない。チームが僕との契約を更新しない事を決め、その上で最終的に僕自身がこういう形を選んだって事だ。これが事の顛末だよ」

移籍先がレッドブルやメルセデスなど、タイトル争いが可能なトップチームであれば、F1引退ではなく現役続行を選ぶ理由も分かるというものだが、実際にライコネンが移籍するのは戦闘力の劣るザウバー。1993年の創設以来一度もチャンピオンシップ争いに食い込んだ事はなく、コンストラクターズ最高位4位を獲得したのは2001年にまで遡る。

「確かにマシンパフォーマンスの差はかなり大きいけど、ここ最近でさえ同じ水準の力を備えるマシンはそんなに多くはない。それに、今はどうあれ、この先どうなるかなんて誰にも分からないだろ」

「移籍の理由?僕がそうしたいと思ったからさ。どうして君らメディアは物事を面倒くさい方向に持っていこうとするんだい?来年の勢力図がどうなるかなんて事は僕には分からないし、誰にも分からないことだろ?」

「あれこれ考える事は出来るけど、最終的には出来る限りの事をやって、その結果を甘んじて受けるだけさ。僕自身はザウバーへの移籍を決めた理由が分かってるし、僕としてはそれで十分なんだ」

具体的な理由を一切語ろうとしないライコネンに対して執拗に「何故」との質問が飛ぶとライコネンは「なんで説明しなきゃならないのさ」と返答。苛立つようなシーンも見られた。優勝争いが出来ないマシンでのレースに情熱を持てるのか?こう問われたライコネンは、お決まりの冗談で突き返した。

「レースに対する情熱なんてありやしないよ。ただ純粋に、君らをおちょくりたいがために契約にサインして、幸せでもない2年間を過ごす事にしたんだよ」

人事発表の直後、ザウバーの本拠地スイスのメディアが、ザウバーとのドライバー契約満了後にライコネンが同チームの株式を取得し経営に参画する可能性を報じたが、ライコネンはこの噂を否定。そのような契約は結んでいないと主張した。

「そんな話はしてない。僕はドライバー契約にサインし、ドライバーとしてレースを戦う事を望んでるんだ。将来のことは誰にも分からないし、僕にも分からない。僕自身の事についてだって僕には分からない。常に色んな憶測が飛び交うものだけど、そういった契約は結んでない」

トップチームのセカンドドライバーとしてよりも、中団チームのファーストドライバーとしてレースがしたい…あるいは、息子ロビンが父キミのF1での勇姿を記憶出来る年頃になるまでは現役を続けて欲しいとの妻の要望。。様々な憶測を掻き立てる事は出来るものの、当のライコネンが多くを語らない以上、真の理由が明らかになる日は永遠に訪れそうにない。

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