バーレーン・インターナショナル・サーキットのパドックに立つジョナサン・ウィートリー(レッドブル・レーシング スポーティング・ディレクター)、2024年2月28日(水) F1バーレーンGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル重鎮ウィートリー、アウディのF1チーム代表に就任…ニューウェイに続き離脱

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長年に渡ってレッドブル・レーシングでスポーティング・ディレクターを務めてきたジョナサン・ウィートリーが、アウディF1チームのチームプリンシパルに就任することが2024年8月1日、発表された。

チーム創設以来、一貫して英国ミルトンキーンズでキャリアを歩み、13回の世界タイトル獲得において重要な役割を果たしてきた英国出身の58歳、ウィートリーは、2024年末を以てチームを去り、ガーデニング休暇を経て2026年シーズンの開幕に向けてアウディのファクトリーチームに合流する予定だ。

F1アブダビGPを前にチーム集合写真を撮るレッドブル・レーシングのピエール・ワシェ(テクニカル・ディレクター)、クリスチャン・ホーナー(チーム代表)、ヘルムート・マルコ博士(チームコンサルタント)、ジョナサン・ウィートリー(スポーティング・ディレクター)、2023年11月26日(日) ヤス・マリーナ・サーキットCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1アブダビGPを前にチーム集合写真を撮るレッドブル・レーシングのピエール・ワシェ(テクニカル・ディレクター)、クリスチャン・ホーナー(チーム代表)、ヘルムート・マルコ博士(チームコンサルタント)、ジョナサン・ウィートリー(スポーティング・ディレクター)、2023年11月26日(日) ヤス・マリーナ・サーキット

ウィートリーについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「ジョナサンとは18年以上に渡り、長く良好な関係を築いてきた」と語った。

「彼はチームマネージャーとして、そして後にスポーティング・ディレクターとして、6回のコンストラクターズタイトルと7回のドライバーズチャンピオンシップの達成に大きく寄与してくれた。その功績は我々のチームの歴史に永遠に刻まれるだろう」

ウィートリーの移籍を受けレッドブルは「今後数週間」のうちに新しいチーム体制を発表すると説明した。

レッドブルは今年初めのホーナーに関するスキャンダルを経て、最高技術責任者でF1界随一の天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイが2025年第1四半期を以てチームを去ると発表したばかりであり、ウィートリーはこれに続く二人目のチーム幹部の流出となる。

ウィートリーは1990年代初頭にベネトンのメカニックとしてF1でのキャリアをスタートさせた経歴を持ち、技術だけでなく政治、レギュレーションの抜け穴にも精通すると見なされており、今年初めにホーナーの後任チーム代表として名前が挙げられていた人物でもある。

なおウィートリー本人のコメントは発表されていない。また、スイス・ヒンウィルを拠点とするザウバーを買収し、2026年より自社製パワーユニットとシャシーでF1への参戦を開始するアウディはレッドブルから遅れること約4時間後にリリースを出した。

通常、このような移籍の発表は、関連する2つのチーム間でリリースのタイミングが調整され、円満な退社であれば本人のコメントが合わせて発表されるのが通例だ。

レッドブルによるとウィートリーは来年、ガーデニング休暇を取ることになるが、アウディによるとウィートリーは「どんなに遅くとも2025年7月まで」にはチームに合流する。移籍条件を巡って合意に達していない可能性が考えられる。

ウィートリーの移籍の知らせに先立つこと1週間前、アウディはザウバーの取締役会会長を務めていたオリバー・ホフマンと、CEOを務めていたアンドレアス・ザイドルをF1プロジェクトから解任し、元フェラーリ代表のマッティア・ビノットをサウバーの最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)に任命した。