WEC世界耐久選手権 第5戦上海6時間が16日に開幕。2018年に行われる最後のレースはウェットコンディションの下、2度の公式練習で幕を開け、TOYOTA GAZOO Racingの2台が両セッション共にトップ2を占める好発進を切った。

SMPレーシングやレベリオン・レーシングらLMP1クラスのノン・ハイブリッド勢に対しては、前戦富士での燃料・重量調整に加え、燃料タンク容量や使用量の増加など、燃料面で優位となる性能調整が採り入れられた。その成果が出た事もあり、2回目の公式練習ではLMP1のトップ4台のギャップは0.676秒にまで接近したものの、トヨタがこれを振り切る形となった。

この日の最速タイムは、現在シリーズランキング首位につける中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車。路面が乾き始めた公式練習1回目の終盤に、インターミディエイト・タイヤを履いて1:54.768を記録した。

「今日は厳しいコンディションだったよ」と8号車フェルナンド・アロンソ。「通常の金曜日と同じ様にデータを集めながら、どのウェットタイヤが最も適しているかを時間かけて分析した。週末はおそらく激戦になるだろう。天気が急変した場合は、タイヤ選択の判断の妥当性と迅速性が勝負の鍵になるんじゃないかな」

タイヤが週末のポイントとなると指摘するアロンソ。中嶋一貴が次のように付け加える。

「雨のレースを想定すると、使用できるタイヤセットが限られているうえに性能落ちも大きく、タイヤのマネジメントに苦労しました。全般にグリップも弱かったですしね」

「チームはTS050 HYBRIDのチューニングと車両セットアップに注力しました。レースに向けて今日は良い準備ができたと思いますが、僅差の戦いになりそうなので、集中を切らさず戦っていきたいと思います」

前戦富士で勝利を飾った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆る7号車は、1回目のセッションで1.586秒遅れの2番手。完全なウェットコンディションとなった午後の公式練習2回目では8号車を上回りトップタイムをマークした。

「両セッション共にウェットコンディションだったのはちょっと残念です」と小林可夢偉。「このコンディション下で出来る限りの作業をこなそうとしましたが、限られた数のウェットタイヤしか使えず、通常通りのセットアップ作業を行うのは困難でした」

「明日土曜日、路面コンディションがどのくらい回復するかを確認しなくてはなりません。明日の公式練習3回目は非常に重要なセッションになるでしょう。そこで可能な限りTS050 HYBRIDのセッティング改善を進めるつもりです」

17日（土）は公式練習3回目の後に予選が行われ、18日（日）現地時間午前11時（日本時間正午）に6時間の決勝レースがスタートする。

WEC上海6時間 LMP1公式練習1回目結果

WEC上海6時間 LMP1公式練習2回目結果