F1アゼルバイジャンGPで3位表彰台を獲得し、トロフィーにキスするフェラーリのセバスチャン・ベッテル
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メルセデスの圧勝が続くF1は「退屈でつまらない」とセバスチャン・ベッテル

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スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、宿敵メルセデスが圧勝を続ける現在のF1は「退屈でつまらない」と皮肉交じりに語った。

1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジンがF1に導入されて以降、シルバーアローは一度足りともチャンピオンシップを落とすことなくフィールドを牛耳ってきた。シーズンを経る毎にライバルもその差を詰めてきてはいるものの、6シーズン目の今年は過去最高のシーズンスタートとなる開幕4連勝を達成。早くもコンストラクター6連覇が現実のものとなりつつある。

「退屈じゃない?」とセバスチャン・ベッテル。「嫌気が差す位につまらない。この4レースに限った事じゃないんだからさ。もう4年位?ずーっとこの調子だよ」

ベッテルの主観として切り捨てる事も出来るだろうが、実際のところ、メルセデスはハイブリッドが持ち込まれた2014年以降の75%のレースで優勝しており、チェッカーフラッグを待たずとも次のレースの勝者が高確率で予想できてしまう状況にある。

だがマッティア・ビノット代表は、第4戦アゼルバイジャンGPの週末に見せたシャルル・ルクレールの速さに言及し、メルセデスとのギャップは”見かけ”よりも小さく、フェラーリSF90には優れたポテンシャルがあると主張する。

「確かに彼らのクルマは我々よりもほんの僅かに優れているように思うが、ギャップはそれほど大きくはなく、選手権でのポイントはクルマの真のポテンシャルを反映していないと考えている」

「シャルルにはポールポジションの可能性があった。ポールに足る性能を秘めた十分な速さがあるならば、全体としてそれは優れたマシンだと言える。レースでは確かに彼らほどの速さはなかったが、チェッカーを受けた時に20秒は遅れていなかった」

ベッテルもビノットの主張に同意。フェラーリが74ポイントという大差を覆してメルセデスにキャッチアップする事は、夢物語ではないと考えている。

「出来る限り全力でプッシュしているけど、これまで以上に頑張る必要がある」とベッテル。「でもそれと同時に、メルセデスが驚異的な仕事を成し遂げ、毎戦のように競争力のあるクルマを用意している点についてはリスペクトしなきゃね」

「そうは言っても、僕には自信があるしチームを信じてもいる。絶対に改善できるはずだ。クルマのポテンシャルは高いと思うけど、それを常に引き出せていないのが問題なんだ。そういう状況が続いてしまうと、信頼してマシンをドライブできなくなってしまうからね。でも上手く風向きを変えられるはずだ」

ベッテルは、今のスクーデリアが抱えている問題を、ハンガリー生まれの立体パズルに例えて説明する。

「ルービック・キューブみたいな感じかな。チームには、ものの数分でルービック・キューブを攻略できる人たちがたくさん揃っているし、みんな本当に頭が切れるんだけど、今の僕らが取り組んでいるのは、巨大なサイズのルービックキューブなんだ」