イスタンブール・パーク・サーキットのパドックを歩くアルファタウリ・ホンダの角田裕毅、2021年10月8日F1トルコGPにて
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角田裕毅、初COTAと本場BBQに期待大「和牛と比べてみたい!」

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テキサス州オースティンは馬が砂埃を巻き上げていたり、ラジエターグリルに巨大な雄牛の角をつけた車が走行していたり、毎晩どこかでバンドの演奏が響き渡るなど、レース以外にも様々な楽しみがあるという点でF1ドライバー達に人気の訪問先の一つだ。

アルファタウリ・ホンダの角田裕毅はサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の走行経験を持たないが、何より渡米自体が初めてとの事で、COTAでのドライビングだけでなく本場のバーベキューを楽しみにしているようだ。

角田裕毅はF1第17戦アメリカGPに向けて「アメリカは以前から行ってみたい国のリストに入っていたのですが、実際に行くのは今回が初めてなので、凄く楽しみにしています」と語った。

「オースティンにあるバーベキューレストランの評判が良いので、是非足を運んで日本の和牛と比べてみたいと思っています!」

アメリカ・テキサス州オースティンの人気BBQ店「Terry Black's Barbecue」のメニューcreativeCommons Jonathan Cutrer

アメリカ・テキサス州オースティンの人気BBQ店「Terry Black’s Barbecue」のメニュー

COTAで最も目を引くのは高低差31mの丘を駆け上がった先に控えるブラインドのターン1だろう。小林可夢偉曰く「クリッピングポイントが全く見えない」との事で、ドライバーは勘だけでステアリングを切るそうだ。

「残りのシーズンで走った事があるコースは最終戦のアブダビ(昨年のポストシーズンテスト)だけですので、これを除くと僕にとっては今週末のオースティンを含めた全てのサーキットが初めての経験となります」と角田裕毅は語る。

「イスタンブールでの週末を終えて数日間に渡ってシミュレーターに取り組みCOTAを走ってみたのですが、様々な種類のコーナーがあって、最初のブラインドコーナーまで急な上り坂が続くなど、凄く面白いサーキットのように思いました。第1セクターは、まるでジェットコースターのようですし、実際に走るのが楽しみです」

「路面に関してはMotoGPライダーたちが不満を漏らしていたので、今週末に間に合うように何か対策が施されたかどうか見てみたいと思います」

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のターン1Courtesy Of Red Bull Content Pool

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のターン1

COTAに関してはこれまでに何度か路面の凹凸が問題視されてきた。

昨年再舗装されたばかりにも関わらず、今季のMotoGPではアプリリアのアレイシ・エスパルガロが「本当にとんでもなく凄く危険で悪夢のようだ」とレースの中止を訴えるなど、多くのライダーが不満をあらわにした。

今週末のレースまでにミリング工法と呼ばれる路面切削によって幾らか問題が改善する事が期待されているが、 原因が粘土質な土壌であると見られる事から根本的な解決は難しい。

なお角田裕毅は前戦トルコGPで良い学びを得たとしており、今週末のUSグランプリを含めて、その成果が期待されるところだ。

「トルコGPの週末は出だしから良いペースを刻む事が出来ていましたし、僕にとってかなりポジティブだったと思っています」

「予選では路面状況が劇的に変化した事で、ペースを見出し適切なマシンバランスを取るのに少し苦労しましたが、Q3に進んで9番グリッドからスタートできた点は良かったと思います」

「ウエットコンディションで始まったため、決勝レースではQ2で使用したソフトタイヤを履くというハンデを負うことはなく、ルイス(ハミルトン)とのバトルを楽しむ事ができましたが、スピンした事でタイヤがかなり冷えてしまい、ペースが上がらず苦労しました」

「興味深い週末で多くを学ぶ事が出来ましたし、今後に向けて良い経験になったと思います」


アメリカGPの戦いの舞台となるのはイスタンブール・パークと並び、ヘルマン・ティルケ最高傑作の一つと称される1周5516m、全20コーナーを持つサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)だ。

2019年の前回大会ではバルテリ・ボッタス(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、予選5番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトンが2位フィニッシュを果たして6度目のF1ワールドチャンピオンを獲得した。3位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)という結果だった。

F1アメリカGPは、日本時間10月23日(土)1時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

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