予選2番手のランド・ノリス(マクラーレン)、ポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2023年7月8日F1イギリスGP
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波乱と白熱…マクラーレン勢がフェルスタッペンに迫る2-3!角田Q1敗退 / F1イギリスGP《予選》結果とダイジェスト

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2023年シーズンのFIA-F1世界選手権第11戦イギリスGP予選が7月8日(土)にシルバーストン・サーキットで行われ、1分26秒720を刻んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が5戦連続のポールポジションを獲得した。角田裕毅(アルファタウリ)は16番手に終わった。

決勝のスターティング・グリッドを決する1ラップバトルはダンプからドライへと移り変わる難しいコンディションの中で行われ、スピンやコースアウト、トラックリミットによるタイム抹消が目立った。

ポールポジションを獲得してガッツポーズを取るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年7月8日F1イギリスGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

ポールポジションを獲得してガッツポーズを取るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年7月8日F1イギリスGP予選

最終Q3は予選の中で初めてDRSの使用が許可された。フェルスタッペンは唯一、2セットの新品ソフトタイヤと共にセッションに臨んだ。他はQ2までのサバイバルで使い果たしたため、1セット目は中古を履く他になかった。

暫定ポールに立ったフェルスタッペンに対し、ランド・ノリスはクローム仕様のマクラーレンMCL60で1分26秒961という驚異的なタイムをマーク。一度はポールを掴みかけたが、最終ラップでコンマ3秒の逆転を食らい2番手に後退した。

チームメイトの新人オスカー・ピアストリが3番手に続き、母国レースのマクラーレンが地元ファン喝采の好成績を収めた。前戦オーストリアGP以降、立て続けに投入されたアップグレードが功を奏し、着実に競争力を上げている事が証明された。

フェルスタッペンが最速の称号を手にした一方、チームメイトのセルジオ・ペレスは1000分の19秒差の16番手でQ1ノックアウトを喫し、5戦連続でQ3進出を逃した。

4番手と5番手にはフェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが続いた。ピアストリとの差は僅か0.012秒だった。

マクラーレンに主役の座を持っていかれた同じホームのメルセデス勢は、ジョージ・ラッセルがサインツに0.007秒及ばず6番手。ルイス・ハミルトンは7番手に留まった。

初日フリー走行で3番手を連取したアレックス・アルボン(ウィリアムズ)。その勢いはこの日も止まらず、ダンプ路面のQ1では敗退の危機に晒される場面がありながらも、一旦路面が乾いた後は競争力を取り戻し、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を抑えて8番手を獲得した。

10番手に滑り込んだのはピエール・ガスリー(アルピーヌ)。ニコ・ヒュルケンベルグはQ2最終盤にガスリーに蹴落とされ、4戦連続のQ3進出を逃した。

予選Q1:角田裕毅、0.076秒差で敗退

全20台で争われた18分間の予選第一ラウンドは直前に雨が降り、気温21℃、路面温度22℃のダンプコンディションでスタートした。カレンダー屈指のタイヤ負荷を誇るシルバーストンでは、ハード(白色)にC1、ミディアム(黄色)にC2、ソフト(赤色)にC3コンパウンドが割り当てられた。

フェラーリ勢、ハース勢、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)の5台はインターミディエイトタイヤを履いてピットレーンに並んだが、アウトラップを経てソフトに履き替えた。

ハミルトンは最初のフライングラップのストウコーナーでスピン。グラベルに飛び出てしまい一時、黄旗が振られた。路面は至るところが濡れ、滑りやすい状態だった。

アルファタウリはニック・デ・フリースをファストレーンに送り出す際、ピアストリの進路上にリリース。セッション後に調査が行われ、チームに罰金5,000ユーロ(約78万円)を科す決定が下された

このニアミスの1分後、ケビン・マグヌッセン(ハース)がピットレーンに入る直前に油圧系統の問題に見舞われコース上で停止。残り3分11秒で赤旗が振られた。

ノックアウト・ゾーンにはマグヌッセン、周冠宇(アルファロメオ)、サージェント、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、アルボンが並んだ。ウィリアムズはドライのフリー走行でトップ5に入る俊足を披露したが、この手のダンプは不得手のようだ。

セルジオ・ペレス(レッドブル)を先頭にQ1再開を待つピットレーン上のF1マシン、2023年7月8日F1イギリスGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス(レッドブル)を先頭にQ1再開を待つピットレーン上のF1マシン、2023年7月8日F1イギリスGP予選

ピットレーンには再開を待つクルマで大渋滞が発生した。フェルスタッペンはファストレーンに出る際にピットウォールに衝突。フロントウイングを折ってしまい、交換を余儀なくされた。

赤旗の間に路面は大きく改善。これまでのタイムシートは事実上白紙となった。ウィリアムズは競争力を取り戻し、2台揃ってノックアウト・ゾーンを脱出。Q2に駒を進めた。

角田裕毅は15番手アロンソに1000分の76秒及ばず17番手。デ・フリースも19番手と、誰よりも広範、大規模なアップグレードを持ち込みながらも、アルファタウリはダブルQ1敗退を喫する事となった。

Q1のチェッカー後、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がコース上でクルマを停めた。技術検査の際、規定量の燃料サンプルを採取できなかったとして失格処分が下ったため、16番手以降のリザルトが1つずつ繰り上げられた。

ノックアウト

  • セルジオ・ペレス(レッドブル)
  • 角田裕毅(アルファタウリ)
  • 周冠宇(アルファロメオ)
  • ニック・デ・フリース(アルファタウリ)
  • ケビン・マグヌッセン(ハース)

予選Q2:路面改善続く

5台の脱落を経てQ2は、セッション中の間もなくの降雨が予想される中でスタートするも、以降、雨が路面を濡らすことはなかった。

依然として路面が進化し続ける中、タイムシートのトップは入れ替わり続けたが、最後に名前を載せたのはフェルスタッペンだった。

ノックアウト

  • ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
  • ランス・ストロール(アストンマーチン)
  • エステバン・オコン(アルピーヌ)
  • ローガン・サージェント(ウィリアムズ)
  • バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)


2023年F1イギリスGP決勝レースは日本時間7月9日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2023年F1第11戦イギリスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:29.428 1:27.702 1:26.720 26
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:28.917 1:28.042 1:26.961 26
3 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:29.874 1:27.845 1:27.092 26
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:29.143 1:28.361 1:27.136 25
5 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:29.865 1:28.265 1:27.148 26
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:29.412 1:28.782 1:27.155 24
7 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:29.415 1:28.545 1:27.211 25
8 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:29.466 1:28.067 1:27.530 25
9 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:29.949 1:28.368 1:27.659 24
10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:29.533 1:28.751 1:27.689 24
11 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:29.603 1:28.896 17
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:29.448 1:28.935 19
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:29.700 1:28.956 18
14 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:29.873 1:29.031 19
NC 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:29.798 11
15 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:29.968 11
16 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 1:30.025 11
17 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:30.123 11
18 21 ニック・デ・フリース アルファタウリ・ホンダRBPT 1:30.513 11
19 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:32.378 7

コンディション

天気晴れ
気温21℃
路面温度22℃

セッション概要

グランプリ名 F1イギリスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 シルバーストン・サーキット
設立 1947年
全長 5891m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1イギリスGP特集