ポール・トゥ・ウインを飾りガッツポーズを取るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年7月9日F1イギリスGP決勝レース
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レッドブル・ホンダRBPT、史上最多タイの11連勝!マクラーレンは再起表彰台 / F1イギリスGP《決勝》結果とダイジェスト

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2023シーズンのFIA-F1世界選手権第11戦イギリスGP決勝レースが現地7月9日にシルバーストン・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾り、35年前のマクラーレン・ホンダに並ぶF1史上最多11連勝をレッドブル・ホンダRBPTに捧げた。

スタート直後に2番手に後退するも5周目に首位を奪還。その後は危なげないレースを戦い、イギリスでのキャリア初優勝を以て今季6連勝を果たした。レッドブルにとっては2012年のマーク・ウェバー以来、11年ぶりのイギリスGPでの勝利となった。

マクラーレンMCL60にとって利となる涼しい路面コンディションを背景にランド・ノリスは、堂々の2位表彰台に上がって母国ファンを湧かせた。45.5%という圧倒的な得票率でDriver of the Day(ドライバー・オブ・ザ・デイ)に選出された。

予選3番手のチームメイト、オスカー・ピアストリはポディウムに足る走りを見せたが、終盤のセーフティーカー(SC)の利を得たルイス・ハミルトン(メルセデス)が3位フィニッシュ。4位に甘んじた。

トップ10圏内で唯一、スタートでソフトタイヤを履いたジョージ・ラッセル(メルセデス)が5位に、予選Q1敗退を喫したセルジオ・ペレス(レッドブル)は面目躍如の9ポジションアップを果たして6位でクルマを降りた。

今季ワーストの予選9番手に留まったフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は0.685秒差でアレックス・アルボン(ウィリアムズ)を退け、意地の7位フィニッシュを果たしたが、僚友ランス・ストロールはチームの母国で14位無得点に終わった。

フェラーリ勢は2台共に順位を落とした。5番グリッドのカルロス・サインツは終盤に向けてペレス、アルボン、チームメイトに相次いで交わされ10位に終わった。4番グリッドのシャルル・ルクレールは9位でフィニッシュした。

3台がチェッカーを受ける事なくレースを終えた。

ケビン・マグヌッセン(ハース)はエンジントラブルに見舞われコース上にクルマを停めた。エステバン・オコンは油圧系統のトラブル、ピエール・ガスリーはストロールとの接触によりリアサスペンションを破損したようで、トップ10を争いながらもリタイヤを強いられ、アルピーヌは2台共が姿を消した。

レース概要

決勝は日本時間9日(日)23時にブラックアウトを迎え、1周5891mのコースを52周する事で争われた。ブラックリーを含む近郊で雨が降る中、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温21℃、路面29℃のドライコンディションで開始された。

2023年7月9日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP決勝レースでの気象条件の変化Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年7月9日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP決勝レースでの気象条件の変化

フォーメーションラップに際しては、ブラッド・ピット主演のF1映画撮影のために架空のチーム「APX GP」のマシンもグリッドに並んだ。

公式タイヤサプライヤーのピレリは2番目に硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。トップ10フィニッシュの内の9台は1ストッパーを選択した。

2023年7月9日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGPのドライバー別スタートタイヤCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年7月9日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGPのドライバー別スタートタイヤ

2023年7月9日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP決勝レースのドライバー別タイヤ戦略Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年7月9日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP決勝レースのドライバー別タイヤ戦略

オープニングラップでは、抜群の蹴り出しを見せたノリスがフェルスタッペンを交わして首位に浮上した。ただ、DRSの使用が許可されると5周目に奪い返された。

ソフトを履いた角田裕毅は1周目を終え、3ポジションアップを果たして13番手につけたが、14周目にローガン・サージェント(ウィリアムズ)にオーバーテイクを許すとピットに入り、早々にハードに履き替えた。

アルファタウリは2台で戦略を変え、14番手を走行していたニック・デ・フリースを27周目にピットに呼び、ミディアムタイヤを履かせた。

7周目、ペレスに追い抜かれた際に接触があり、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は左フロントの翼端版を破損。ピットインを余儀なくされ、最終13位でフィニッシュした。

首位を奪われてなおノリスはフェルスタッペンに追随。逃げを打たせる事なく、11周目まではその差を1秒程度にまで抑え続けた。

フェルスタッペンは突風に苦戦。「今はドライブするのが難しい」と訴えたが、自己ベストを更新しながらペースを上げていき、32周目にはノリスに対するリードを9.7秒にまで拡げた。

トップ3争いの中で最初にピットストップに動いたのはピアストリ。29周目にハードに交換した。だが、結果的にはこれが3位表彰台を逃す要因となった。

その4周目、マグヌッセンのリアから出火し、バーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。このタイミングで7番手争いをしていたルクレールとアルボンがミディアムに、アルファタウリ勢もソフトに履き替えた。

VSCはその後、SCへと切り替えられた。するとタイヤ交換義務を消化していなかったトップ2とハミルトンがピットイン。ハミルトンが大きなアドバンテージを得て3位に浮上した。フェルスタッペンとハミルトンはソフトを履いたが、ノリスはハードに交換した。

残り14周でリスタートを迎えると、2位表彰台を狙うハミルトンがノリスを強襲。白熱のバトルを繰り広げた。

残り7周のタイミングでは、ガスリーがストロールにぶつけられる格好で接触。コース外に押し出された後、スピードを失った。サスペンションの破損が疑われる。スチュワードはストロールに5秒ペナルティを科した。

2023年F1第11戦イギリスGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 52 1:25:16.938 26
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 52 +3.798s 18
3 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 52 +6.783s 15
4 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 52 +7.776s 12
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 52 +11.206s 10
6 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 52 +12.882s 8
7 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 52 +17.193s 6
8 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 52 +17.878s 4
9 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 52 +18.689s 2
10 55 カルロス・サインツ フェラーリ 52 +19.448s 1
11 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 52 +23.632s 0
12 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 52 +25.830s 0
13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 52 +26.663s 0
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 52 +27.483s 0
15 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 52 +29.820s 0
16 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 52 +31.225s 0
17 21 ニック・デ・フリース アルファタウリ・ホンダRBPT 52 +33.128s 0
18 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 46 DNF 0
NC 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 31 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 9 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温21℃
路面温度29℃
周回数52

セッション概要

グランプリ名 F1イギリスGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 シルバーストン・サーキット
設立 1947年
全長 5891m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1イギリスGP特集