もはや3列目に満足できないメルセデス、ハミルトンは「レーサーモード」を求めて逆に後退…ラッセルは徐々に自信喪失
今季2度目のメジャーアップグレードにより競争力を増したメルセデスはもはや、3列目に甘んじる事ができないようだ。2日(土)に行われたF1第10戦イギリス予選では、ルイス・ハミルトンが5番手、ジョージ・ラッセルが8番手という結果となった。
3列目以上という事は、少なくともレッドブルかフェラーリの1台を上回るという事だ。雨のシルバーストンでの予選では上位2列をこのトップ2チームが独占。これまでと変わらぬ序列のままだった。
トト・ウォルフ代表兼CEOは「ジョージは最後から2番目のラップでタイヤをロックアップさせ、ルイスはブレーキ温度並びにタイヤの温度低下に悩まされた。その結果5番手と8番手に留まった。ポテンシャルを十分に引き出せなかった事が少し悔やまれる」と振り返った。
メルセデス:F1イギリスGP予選
ルイス・ハミルトン予選: 5位 / FP3: 5位
チームはクルマのアップデート作業に懸命に取り組み、その結果として今回、新しいエアロパーツがたくさん持ち込まれクルマは改善された。でも高速コーナーでのバウンシングはまだ残っていて、特にレッドブルに引き離されている状況だ。
雨の中、僕らは最終ラップまであと2周というところまで、最前列を懸けて戦い続け、そのポジションに留まっていた。ファイナルラップに向けて”レーサーモード”を使うため、一旦後退してバッテリーをチャージしたんだけど、ちょうどそのタイミングで雨脚が強まってきて、それが響いてしまった。
僕らのマシンはレースで力強いはずだし、5番手は悪いスタートポジションではないけど、今回はイギリスでのグランプリだからもっと上位を望んでいた。これまでのレースなら5番手でも満足できただろうけどね。明日は何か特別なことを成し遂げたい。
ジョージ・ラッセル予選: 8位 / FP3: 4位
Q1はクルマのフィーリングがかなり良くて自信もあったんだけど、Q2に入ると若干悪化して、Q3では自信を持ってクルマをドライブするのに苦しんでしまい、その結果、ミスをしてしまった。立て直すのはタフだった。
誰にとってもトリッキーなセッションだったとは言え、もっと良い予選を期待していただけに少しガッカリだよ。ポールを狙えるとは思ってなかったけど、もっとやれたはずだ。
ドライのFP3はペースがかなり良く、いい感じで前進できた。クルマが予選よりレースで遥かに速い事は分かっているから、明日の展開を見守りたい。
8番手からのスタートだから後手に回る事になる。できるだけ早く中団勢を抜き去らなきゃならない。
ドライコンディションとレースペースという点では、レッドブルやフェラーリと戦えるクルマに仕上がっていると思うから、明日はすべてを出し切るつもりだ。
2022年F1イギリスグランプリ予選ではカルロス・サインツ(フェラーリ)が初のポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)という結果となった。
決勝レースは日本時間7月3日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5,891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。