角田裕毅の2025年レッドブル昇格、RBラインナップ刷新のシナリオ「3名の若手」に太鼓判を押すマルコ
2025年シーズンに向けてRBのドライバーラインナップが刷新され、過去6戦で僅か15ポイントしか獲得していないセルジオ・ペレスの後任として角田裕毅がレッドブル昇格を果たす可能性があるとの見方を独Auto Motor und Sportが伝えた。
報道によるとイタリア・ファエンツァのチームは2025年に少なくとも1名、場合によっては2名のジュニアドライバーを起用する可能性があるという。
リザーブ・ドライバーのリアム・ローソンは来年、RBからF1にフル参戦することが確実視されており、もう一つのシートにはFIA-F2選手権リーダーとなったアイザック・ハジャーの名前が挙げられている。
台頭する若手が角田裕毅のチャンスに?
報道に先立っては、墺SPEEDWEEKに寄せた最新のコラムの中でヘルムート・マルコが、今季F2チャンピオンに足るパフォーマンスを発揮しているとしてハジャーを高く評価したばかりだった。
「彼はシルバーストンのメインレースで優勝してF2選手権のトップに立った」とマルコは指摘する。
「彼が何度か不運に見舞われたことを忘れてはいけない。エンジンの故障、予備エンジンの不調、2度の燃料供給トラブル、さらに自身に過失がないにも関わらず逆転されたことが2回あった。それがなければ彼はチャンピオンシップで遥か先を行っていただろう」
仮に今季F2タイトルを獲得して来年、F1に昇格できなかった場合、F2レギュレーションは翌年のチャンピオン参戦を禁止しているため、ハジャーは行き場を失う可能性がある。
若手によるラインナップ刷新の可能性が指摘されているのには理由がある。マルコはシルバーストンでRBのジュニアチーム回帰を主張し、サマーブレイク中にジュニアドライバーを詳細に分析・評価する予定だと明かした。
また、低迷しつつも「気紛れ」に成績が上下する複数のドライバーがグリッドに居座っていることでF1へと至る道が塞がれているとも述べ、若手のF1昇格を全面的に支持する考えを強調した。
レッドブル首脳陣および株主がハジャーの来季F1デビューを望んだ場合、角田裕毅はRBのシートを失うことになる。これについてAuto Motor und Sportは「それは角田裕毅のAチーム昇格を意味する可能性がある」との見方を伝えた。
契約はRBではなくレッドブルとの間で結ばれており、アレックス・アルボンとピエール・ガスリーのシーズン途中でのかつてのトレードが象徴するように、出走先チームについては柔軟に変更できる取り決めになっている。
ハジャーの対抗馬とリカルドの行方
来季RB昇格の可能性があるのはハジャーだけではない。マルコは2021年に揃ってレッドブルジュニア入りを果たした2名についてもF1デビューの可能性があると仄めかしている。
その内の一人はアルヴィッド・リンドブラッドだ。2023年のマカオF4ウィナーはFIA-F3選手権ルーキーイヤーで現在ランキング2位につけている。
マルコは「アイザックとアルヴィッドは素晴らしいスピードと本当に優れた資質を持ち合わせており、F1に相応しい能力を示している」と評価した。
もう一人は岩佐歩夢だ。「日本のスーパーフォーミュラで現在2位につけている岩佐歩夢も忘れてはならない」とマルコは記した。
ではダニエル・リカルドはどうなるのか? レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はリカルドを起用するよう他のチームに働きかけているとされる。
しかしながら、2022年にリカルドの早期契約解除を決定したマクラーレンの当時のチーム代表アンドレアス・ザイドル率いるザウバー/アウディは、リカルドの獲得に「ほとんど興味を示していない」と伝えられている。
RBのドライバーラインナップを刷新し、角田裕毅をシニアチームに昇格させるというこのシナリオは、ペレスとの2年契約を主導したと見られるホーナーにとって恥をさらすものとなるだけに、実現の可能性を計るのは難しい。
ただ、ローソンのチーム離脱条項が有効となる9月までにレッドブルが決断を下さなければならない状況に変わりはないため、後に更なる変更が行われる可能性があるとしても、遅くとも約2ヶ月以内には、より状況がクリアになることが期待される。