バーレーン・インターナショナル・サーキットのパドックを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)とカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年F1バーレーンGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool / Williams

F1バーレーン事故:角田裕毅とサインツの見解―片や入賞、片やリタイアで明暗分かれる

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2025年F1世界選手権第4戦バーレーンGPの決勝レースを終えて、レッドブル・レーシングの角田裕毅とウィリアムズのカルロス・サインツが、ターン1での接触事故についてそれぞれの立場から見解を示した。

57周で争われた決勝レースの31周目、6位を巡ってバトルを展開していた角田とサインツがターン1で接触。このアクシデントによりコース上にデブリが飛散し、セーフティーカー(SC)が導入された。

接触により、サインツのマシンはサイドポッドとフロアにダメージを負い、45周目にリタイアを余儀なくされた。一方、角田はレースを続行し、最終的に9位でフィニッシュして入賞を果たした。

「ターン1に向けては良い動きができたと思う。でも、コーナーを抜ける際に、たぶん彼がリアを失ってスナップし、それで僕のサイドポッドに当たったんだ」とサインツは振り返った。

「それで僕のレースは終わった。ダウンフォースが40~50ポイントも落ちて、1周あたり1.5秒も遅くなってしまい、そこから先は後退する一方だった」

レース中、サインツは無線を通じて角田に対するペナルティを求める姿勢を見せていたが、レース後にクルマを降りると、そのトーンを和らげた。

「彼がクルマのコントロールを失ったことで、僕のレースは台無しになってしまった。でもオンボード映像を見ると、あれはレーシングインシデントって感じだった」

「少しコントロールを失っていたのは確かだと思うけど、もし僕がユーキの立場だったとしたら、バトル中にちょっとクルマが滑っただけでペナルティを食らいたくないのも分かる」

「判断が難しいインシデントだったと思う。今回は僕に運がなかった。しょうがない」

一方、角田は接触があったこと自体に気づいていなかったという。英専門メディア『The Race』によれば、角田は次のようにインシデントを振り返っている。

「正直、いつ接触したのかよく分からないので、映像を見直して確認する必要があります。ターン1で彼が僕の方に向かってきた時のことですかね? あの時はホイールスピンがあったので、それで避けられなかったのかな?」

「ひょっとすると、その時に僕のリアタイヤが彼のクルマの側面に触れたのかもしれません。ただ、自分としては接触があったようには感じませんでした」

「その後、かなりのバイブレーションがありましたが、それはピックアップによるものでした。結局のところホイールにダメージがあったので、わずかに接触があった可能性はあります」

「僕の見解としては、典型的なレーシングインシデントです」

この件について、スチュワードはインシデントの発生自体は確認したものの、さらなる調査は不要と判断し、レーシングアクシデントとして処理した。


2025年F1第4戦バーレーンGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が今季2勝目を上げ、2位にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。

ジェッダ市街地コースを舞台とする次戦サウジアラビアGPは、4月月18日のフリー走行1で幕を開ける。

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