マルコが認めた角田裕毅の「上昇曲線と姿勢の変化」―マックス超えを生んだ”判断の差”、カタール背水の陣で難業達成

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2025年F1第23戦カタールGPのスプリント予選でマックス・フェルスタッペンを上回った角田裕毅について、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ここ数戦で着実に改善したパフォーマンスだけでなく、その姿勢も高く評価した。

角田は、レッドブルが来季のドライバー体制を最終決定する前の最後の週末、まさに土壇場で、そのポテンシャルを結果に結びつけた。2024年アゼルバイジャンGPでのセルジオ・ペレス以来となる「フェルスタッペンを予選で上回る」という難業を成し遂げたのだ。

チームも本人もここ数週間、前向きな兆しを強調していたが、ついに目に見える“数字”が残った格好だ。

ガレージ内で走行準備を進める角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年11月28日(金) F1カタールGPスプリント予選(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージ内で走行準備を進める角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年11月28日(金) F1カタールGPスプリント予選(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

ドイツの専門メディア『Motorsport-Magazin』によれば、マルコはQ1敗退に終わった前戦ラスベガスGPの悪夢に触れつつ、角田の上昇曲線を評価した。

「(ラスベガスの時点で)彼はすでにマックスにかなり近づいていた。ただ、間違ったタイヤ内圧のせいでQ1で敗退し、それによって週末全体が台無しになってしまった。とは言え、スピード自体は一貫して向上している」

さらにマルコは、角田のアプローチの変化についても言及した。

「彼のパフォーマンスは向上しているし、これまで以上に積極的にチームに関わるようになり、技術面にも強い関心を示すようになってきている」

逆転タイトルを狙うフェルスタッペンは、まさかの6番手に沈んだ。その裏には、セットアップ判断の差があった。

フロントか、リアか。分かれた判断

火花が飛び散る角田裕毅の22号車レッドブルRB21、2025年11月28日(金) F1カタールGPスプリント予選(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

火花が飛び散る角田裕毅の22号車レッドブルRB21、2025年11月28日(金) F1カタールGPスプリント予選(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

マルコは、両ドライバーの明暗を分けた要因について次のように説明した。

「マックスはより鋭いフロントを求め、ユウキはより強いリアを求めた。そして、それがより正しい方向性だった」

さらに、SQ2の最中に角田が下した「フロントフラップを3クリック調整する」という思い切った判断も見逃せない。この変更によって角田は、フェルスタッペンとの差をそれまでの0.4秒前後から一気に0.116秒まで縮めたのだ。

結果として、角田は最終的にわずか0.009秒差でフェルスタッペンを上回り、5番グリッドを手にした。これは角田にとって、レッドブル昇格後の20回の本予選と5回のスプリント予選、計25回の挑戦で初めてフェルスタッペンを1周のタイムで打ち破った瞬間となった。

また、5番手という結果は、レーシング・ブルズ在籍時の今季開幕オーストラリアGP以来となる好位置ともなった。

残留か、出戻りか、それとも…運命の週末

ただ、この結果だけでドライバー選考の構図が一変するとは考えにくい。今回の5番手は、これまでの苦戦を覆す”最初にして最大の大きな一歩”ではあるが、あくまでスプリントの、それも予選での結果に過ぎない。

ロサイルのパドックでは、“古くて新しいシナリオ”がささやかれている。VCARBの新人アイザック・ハジャーが来季フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルへ昇格し、VCARBの2席に関しては、リアム・ローソンの残留に加え、アーヴィッド・リンブラッドが抜擢される、というものだ。

後者は流動的と見られる一方、前者については既定路線である可能性が高まっている。マルコはスプリント予選を終えて、改めて「今週末の後に最終決定を下す」と明言した。

数カ月前から角田は、レッドブルの来季シート争いで“本命”とは見なされていなかった。今回の一発の速さは、シート維持を手繰り寄せる一手になるのか。それとも、レーシング・ブルズへの“出戻りチケット”をつかむ材料となるのか。

背水の陣で掴んだ5番グリッド。角田は、自身のF1キャリアを左右するあまりに大きな分岐点に立っている。


2025年F1カタールGPスプリント予選でポールポジションを獲得したのはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)。2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。

スプリントは日本時間11月29日(土)23時から、公式予選は同27時から1時間に渡ってロサイル・インターナショナル・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1カタールGP特集