角田裕毅「ふさわしい結果」に強い意欲、カナダGPでF1通算100戦目の大台に

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角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、今週末に開催される2025年F1第10戦カナダGPにおいて、F1キャリア通算100戦目を迎える。週末に先立ち、「この節目を、それにふさわしい結果で飾りたい」と強い意欲を示した。

2021年の開幕戦バーレーンGPでスクーデリア・アルファタウリからF1デビューを果たした角田は、これまでに予選最高位3位、決勝最高位4位、ファステストラップ1回、通算獲得ポイント101点を記録している。

実際の出走は96戦で、DNS(出走せず)が3回あるため、ジル・ビルヌーブ・サーキットで行われる今週末のレースが通算100戦目となる。なお、前戦スペインGPでは片山右京(出走95回、エントリー95回)が保持していた記録を更新し、日本人F1ドライバー最多出走となる通算96戦を達成した。

「今週末は、F1での100戦目になります。ちょっと信じられない気持ちです。まだ始めたばかりのような気もしますし、同時にずっとこれが自分の人生だったようにも感じています」と角田は語った。

「これまでの1レース、1レースのすべてが僕にとっては特別でした。このスポーツに携わることができて幸運だと感じています。節目となる100回目のレースを、それにふさわしい結果で飾りたいと思っています」

「カレンダーの中でも特に好きなレースのひとつなので、カナダGPをすごく楽しみにしています。モントリオールの雰囲気が大好きで、食べ物やショッピングを含めて、本当に楽しく過ごせる場所なんです」

2023年型レッドブル「RB19」をベースとしたミュールカーでガレージへと戻る角田裕毅、2025年6月3日 2026年ピレリタイヤ開発テストCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年型レッドブル「RB19」をベースとしたミュールカーでガレージへと戻る角田裕毅、2025年6月3日 2026年ピレリタイヤ開発テスト

前戦スペインGPでは、週末を通じてパフォーマンス不振に見舞われ、その原因がつかめず困惑した様子を見せていた。予選最下位を経て、決勝に向けてはセットアップを変更したものの、本人曰くほとんど成果はなく、ポイント圏外13位に終わった。

一方で、決勝後もバルセロナにとどまり、ピレリ主催の2026年タイヤテストおよびTPCを活用し、旧型マシンながらも2日間にわたって周回を重ねた。さらに、その後はミルトンキーンズに戻ってシミュレーターで準備を重ね、次戦に向けて万全を期している。

「レッドブルのマシンで多くの周回を重ね、今や遥かに経験も積んできましたし、スペインでの反省を生かして、(チームとして)今後は予選でもっといいパフォーマンスを発揮しなければなりませんが、そのための努力は重ねてきました」と角田は語る。

「カナダの天気はいつも何かしらのサプライズがありますが、今回は比較的ドライで安定しそうなので、目標の達成に向けてプラスになると思います」

昨年のカナダGPで角田は予選Q3に進出し、ジル・ビルヌーブ・サーキットでの自己最高予選結果となる8番手を記録した。だが、決勝では入賞圏内を走行しながらも、残り5周でスピン。14位に終わった。

今季最悪とも言える週末を過ごした前戦スペインGPから2週間。F1キャリア通算100戦目という大きな節目を迎える今週末、角田がどのような走りを見せるのか、大きな注目が集まる。

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