ハリウッドスターのブラッド・ピットが主演を務めるF1映画『F1／エフワン』が、6月27日（金）に日米同時公開される。監督は『トップガン マーヴェリック』を手掛けたジョセフ・コシンスキー。本作に“リアルなF1”を感じたと語るのは、レッドブル・レーシングに所属する日本人唯一のF1ドライバー、角田裕毅だ。

先月末、F1第8戦モナコGPを前に、モナコ市内の映画館で現役F1ドライバーや関係者を招いた特別試写会が実施された。角田は「本当に細かい音まで入っていて、ヘルメットの中でどう聞こえるのかまでよく表現されていました」と語り、特に音響面でのリアリズムを高く評価した。

現役F1ドライバーも絶賛「こんなの見たことない」

F1の全面的な協力を得て制作された本作は、世界各国の実際のサーキットで撮影が行われ、映画史上類を見ない規模での体感型リアル・アクションを実現。ピットを含む出演者は数か月に及ぶ厳しいトレーニングを受け撮影に臨んでおり、作中にはピット本人が実際にマシンをドライブするシーンも含まれている。

角田と同じくモナコでの試写に参加したエステバン・オコン（ハース）は、「こんなの見たことない、こんなに没入感があるなんて」「映画の中で本当のスピードを体感できる、今まで観た中で最高のレーシング映画だよ」と驚嘆。アイザック・ハジャー（レーシング・ブルズ）も「ブラッド・ピットは彼のやり方でF1を描いている。そのクロスオーバーが素晴らしかった」と評価した。

また、ウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表は「何度も鳥肌が立った。そのうち3、4回は本当に脅威の展開で、エンディングも素晴らしかった」と感想を述べた。どの程度、忠実にF1を再現しているのか興味を持っていたというオスカー・ピアストリ（マクラーレン）は「全部、本格的だった」と笑顔を見せた。

一方で、「過剰なクラッシュ描写」や「ハリウッド的な脚色」との批判的な声もあるが、多くの現役ドライバーやチーム関係者は本作を高く評価しており、F1を観たことのない観客層にも強い訴求力を持つ作品として期待が寄せられている。

レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは「本当に時間をかけて研究したことがわかる。今までF1を知らなかった人たちにこのスポーツを知ってもらう素晴らしい方法だと思う」と評価。アストンマーチンのアンディ・カウエル代表も「本当に素晴らしい作品だ。絶対に気にいると思う」と太鼓判を押している。

中野信治が字幕監修「F1の奥深さが伝わる」

さらにこの度、本作の字幕監修を、元F1ドライバーで、F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レースという世界3大レースの全てに参戦した中野信治が務めることが発表された。中野は本作について以下のようにコメントしている。

「本物でしか表現することができない迫力、スピード感。そのスピード感と共に、瞬く間にF1の世界観に引き込まれていく不思議な感覚。現役のチーム、そしてドライバー達と共に実際のグランプリウィークに撮影を行うという離れ業まで実現してしまったこの映画、そのスケール感は正に規格外！通常のレースでは実現不可能とも言える映画ならではの迫力のあるカメラワークや、実際のF1ドライバーたちとのリアルな共演シーンもお見逃しなく」

「一方では、ドライバーがレースで勝つために必要なフィジカル、メンタル、そしてチームをまとめ強い組織を作り上げるためのインテリジェンスの重要性を、物語の中でうまく表現してくれています。ただ速いだけでは勝てない…モータースポーツの奥深さをこの映画を通して感じ取ってもらえたら嬉しいです」

ストーリー概要：最弱チームの再建に挑む“伝説の男”

物語は、かつての伝説的F1ドライバーであるソニー（ブラッド・ピット）が、最下位に沈む弱小チームの再建を託され、現役復帰を果たす場面から始まる。

常識破りのスタイルに戸惑うチームメイトやスタッフたちは、やがて彼の情熱と才能に心を動かされ、チームは次第に一つにまとまっていく。彼らは強豪チームを相手に逆転勝利を収めることができるのか──スピードの極限を舞台に繰り広げられる熱きドラマが描かれる。

まるでF1マシンに乗っているかのような時速300km超の“体感”エンターテインメントが、この夏、日本中を熱狂させる。映画『F1／エフワン』は6月27日（金）、全国ロードショー。