波乱に富んだ90分…ボッタスが最速連取、ホンダ勢はフェルスタッペンが3番手 / F1トスカーナGP《FP2》結果とダイジェスト

左リアに巨大なエアロレイクを取り付けてムジェロ・サーキットを走行するレッドブル・ホンダRB16、2020年F1トスカーナGPにてcopyright Pirelli & C. S.p.A.

ムジェロ・サーキットを舞台に、2020年F1第9戦トスカーナGP金曜2回目のフリー走行が現地9月11日に行われ、バルテリ・ボッタスが1分16秒989のトップタイムを記録。この日行われた2回のセッションを連取して初日をトップで締め括った。2番手にはコンマ2秒落ちでルイス・ハミルトンが続き、メルセデスが1-2体制を築いた。

メルセデスの背後にはレッドブル・ホンダの2台が続いた。苦手とする低ダウンフォースの高速2連戦を終えてRB16は息を吹き返し、マックス・フェルスタッペンはハミルトンに1000分の39秒と迫る3番手タイムをマーク。アレックス・アルボンは4番手タイムを刻んだが、フェルスタッペンとのギャップは0.736秒と大きく開いた。

アルファタウリ・ホンダは1週間前の優勝で勢いに乗るピエール・ガスリーが8番手につけ、ダニール・クビアトは15番手でヘルメットを脱いだ。

午前のFP1に引き続き午後の現地スカルペリーアも晴天に恵まれ、予選・決勝と同時刻帯のプラクティス2は現地15時、日本時間22時より気温29℃、路面44.7℃のドライコンディションでスタート。ドライバー達はコースの習熟に、エンジニア達は未知のコースに合わせた最適なセットアップを探るために、貴重な90分間のセッションに挑んだ。

コース幅が狭く、周り一帯をグラベルが覆う伝統的なタイプのコースという事もあり、初日午後のセッションでは2度に渡ってレッドフラッグが振られた。

まずは1時間が経過したところで、ランド・ノリス(マクラーレン)がターン3からの脱出の際に左片輪をグラベルに落とし、コース脇のコンクリートバリアに激突。フロントウィングを破損した。車両回収のためにセッションは一時赤旗中断となった。

この結果、ノリスは走行僅か9周に留まり、チームは計画していたプログラムの修正を余儀なくされ、ロングランのデータ取りを含めて全てはカルロス・サインツに委ねられる事となった。初開催のコースでの走行ロスは大きな痛手と言える。ノリスは14番手、サインツは13番手で初日を終えた。

残り20分では、ピットレーンからコース上に出てきたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が、ターン1にアプローチ中のキミ・ライコネン(アルファロメオ)に接触。キャリア20年のベテランドライバーはグラベルに弾き出されてしまい、ペレスのフロントウィング左側の翼端板がコースに脱落し、デブリ回収のために2度目の赤旗中断となった。

ライコネンは9番手、ペレスは7番手と、共にチームメイトに大差をつけてトップ10に並んでいただけに、良い流れを遮る悪しき形でセッションを終える事となった。一件は審議の対象となり、スチュワードはセッション後、ペレスに日曜のレースでの1グリッド降格ペナルティを科す裁定を下した

また、チェッカーフラッグ後には、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がコース上でマシンストップを強いられ、ピットに戻る事が出来ずにクルマを降りた。ベッテルは無線で「エンジンが止まった」と報告している。搭載されていたのは金曜専用エンジンと考えられるが、ベッテルにとってはもちろん、チームにとっても理想的な一日の終りとは言えない。ベッテルは12番手、シャルル・ルクレールは10番手で初日を終えた。

ミッドフィールド最速はルノー勢だった。R.S.20はスパ以降の高速サーキットで好調を維持しており、ダニエル・リカルドが5番手、エステバン・オコンが6番手に並び、レーシングポイントとアルファタウリ・ホンダ、そして跳馬らを背後に抑えた。

午前のFP1でケビン・マグヌッセンがエンジントラブルに見舞われたハース。今度はロマン・グロージャンを電気系統の問題が襲った。8号車VF-20は走行僅か5周に留まり、20番手最下位に終わった。マグヌッセンはFP1の鬱憤を晴らすかの如く32周を走り込んで19番手タイムを記録した。

2020年F1第9戦トスカーナグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間9月12日(土)19時から1時間半の日程で開催される。

2020年F1第9戦トスカーナGPフリー走行2(FP2)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:16.989 28
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:17.196 +0.207 29
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:17.235 +0.246 25
4 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:17.971 +0.982 28
5 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:18.039 +1.050 32
6 31 エステバン・オコン ルノー 1:18.115 +1.126 29
7 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:18.198 +1.209 34
8 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:18.244 +1.255 30
9 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:18.385 +1.396 38
10 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:18.400 +1.411 27
11 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:18.462 +1.473 37
12 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:18.498 +1.509 39
13 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:18.651 +1.662 32
14 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:18.658 +1.669 9
15 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:18.736 +1.747 33
16 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:18.843 +1.854 33
17 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:18.944 +1.955 35
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:18.983 +1.994 31
19 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:19.113 +2.124 32
20 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:19.257 +2.268 5

コンディション

天気晴れ
気温29℃
路面温度44.7℃

セッション概要

グランプリ名 F1トスカーナGP
セッション種別 フリー走行2
セッション開始日時

サーキット

名称 ムジェロ・サーキット
設立 1974年
全長 5245m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

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