アレックス・アルボン、自ら掴み取った念願の初表彰台「チームに恩返しができて良かった」
昨年のブラジルGP、そして今年のオーストリアGPと、表彰台獲得まであと一歩に迫りながらも、ルイス・ハミルトンとの接触によってキャリア初のポディウムを奪われてきたレッドブル・ホンダのアレックス・アルボンが、遂に念願の初表彰台に上がった。
9月13日に開催されたF1トスカーナGP決勝レースは、2度の赤旗中断によって計3度のスタンディングスタートが行われたが、これがアルボンに大きな試練を与えた。
ホームストレート上での複数台のクラッシュにより振られた最初の赤旗からのリスタートでは、ランス・ストロール、ダニエル・リカルド、セルジオ・ペレスに立て続けに抜かれてしまい、4番手から一気に7番手にまで後退した。
粘り強く前を追いかけポジションを取り戻していったアルボンだが、ストロールのクラッシュにより2度目の赤旗が振られ、レースは再びスタンディングスタートを迎える。
残り12周という最終盤のスプリントレース。再び4番手からスタートしたアルボンであったが、ターン1までにセルジオ・ペレスに交わされ、またも後退を強いられた。だが、ペレスがリアを滑らせてトラクションを失うと、その好機を逃さずにすぐにさまポジションを取り戻してみせた。
そして残り8周を迎えたターン1で、ダニエル・リカルドをアウト側から豪快にオーバーテイク。3番手にポジションを上げると、そのままチェッカーフラッグを受け、自身初の表彰台に上がった。
タイ人ドライバーとしてはF1史上初のポディウムで、表彰台登壇はF1史上213人目。史上初開催となったムジェロ・サーキットでのレースは、アルボンにとって一生忘れえぬ想い出のイベントとなった。
チームに恩返しができて良かった
アレックス・アルボン決勝: 3位, グリッド: 4番手
長い道のりだった。本当に嬉しい! ずっと望んでいたけれど、なかなか辿り着けなかったから、こうして表彰台に立つ事ができて今日は本当に特別な一日になった。チームに加入した初日から僕を支え続けてくれたチームに恩返しができて良かったし、僕の実力を示す事ができたのも本当に嬉しい。
タフなレースだった。決して楽なレースじゃなかったんだ。高速のセクター2は本当に強烈で、ここは残酷なほど厳しいコースだし、今日は何度もリスタートを繰り返すレースだったから、色んな事に上手く対処する必要があったんだ。
停止状態からの蹴り出しで苦戦していたから、積極的に仕掛けていかなきゃならない状況だったけど、クルマの状態が凄く良くて、ブレーキの効きも良かったから、これを活かして上手く挽回していく事ができた。
表彰台のチャンスを逃すつもりはなかったから、最後のリスタートで順位を下げてしまった時は、何としても3位を獲得するために猛烈に攻めた。今日の結果には大喜びだよ。
9月13日(日)にムジェロ・サーキットで行われた2020年F1第9戦トスカーナ・グランプリ決勝レースは、度重なるクラッシュにより2度の赤旗中断を経て、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3位にアレックス・アルボン(レッドブル・ホンダ)が続く結果となった。