ハースVF-22でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するピエトロ・フィッティパルディ、2022年3月10日F1バーレーンテスト初日 (2)
Courtesy Of Haas

F1、不遇ハースへの日曜追加テストを巡り”3チーム”が反対票

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ハースF1チームはF1バーレーンテストの最終3日目の翌4日(日)に追加のテストを要求していたが、3つのライバルチームがこれに反対。計画は阻止された。

ドライバー交代やタイトルスポンサーとの契約解除など、ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けハースは第2回プレシーズンテストに向けて予定外の業務に追われた。

追い打ちをかけるように、輸送機が技術的なトラブルに見舞われた事で機材の現地搬入が遅れ、チームは初日午前のセッション参加を見送らざるを得なかった。

バーレーンでのテストは3月10~12日(土)の3日間だが、不可抗力によって走行時間をロスしたハースに対し、F1は最終日の翌日に追加のテストを実施する事を許可したと報じられた。

だが実現のためには、プレシーズンテストは最長で連続3日間と定めたレギュレーションの変更が必要となる。改訂にはライバルチームの全会一致の同意が必要だが、3チームがこれに反対票を投じたようだ。

ハースのギュンター・シュタイナー代表は日曜の追加テストが「拒否された」と語り、反対したライバルチームの一つがマクラーレンだと明かした。噂ではこれにアルピーヌとアルファロメオを加えた3チームが反対したとされる。

ハースVF-22でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するピエトロ・フィッティパルディ、2022年3月10日F1バーレーンテスト初日 (1)Courtesy Of Haas

ハースVF-22でバーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するピエトロ・フィッティパルディ、2022年3月10日F1バーレーンテスト初日 (1)

輸送機はハースではなくF1がチャーターしたものだった。本来であればトルコから英国、英国からバーレーンへと飛ぶ予定であったが、トラブルによりイスタンブールで足止めされた。

ハースの要求は通らなかったが、幸いにも2日目セッション終了後の夜に1時間、最終3日目の朝に1時間、夜に2時間の計4時間のエキストラ走行が許可された。バーレーン・インターナショナル・サーキットには照明システムが完備されている。

夜通しでの徹夜作業が功を奏し、チームは初日午後のセッション開始までにクルマの準備を終わらせた。30時間ぶっ通しで働いたメンバーもいたようだ。ハースはライバルより36時間少ない時間で準備を整えなければならなかった。

チームの努力が実り、念願のVF-22に乗り込んだリザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディは、47周を走行してピレリC2プロトタイヤで1分37秒422の15番手タイムをマークした。

「今日は最高だった。ようやくVF-22に乗れた」とフィッティパルディは語った。

「新しい次世代のマシンだから周回数を稼ぐ事が重要だった。クルマが従来のものとは全く違って面白かった」

「バルセロナではあまり走り込めなかったから、今日は硬めのコンパウンドを履いて、より長いラップのシミュレーションをたくさんこなす事に集中した」

「目標は達成できたし本当に満足してる」

2日目午前はミック・シューマッハが、午後にはニキータ・マゼピンの後任として電撃古巣復帰を果たしたケビン・マグヌッセンがクルマに乗り込む。