マクラーレンSPからの緊急参戦が決まったケビン・マグヌッセン、2021年6月18日インディカー・シリーズ第9戦ロード・アメリカのプラクティス1
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ケビン・マグヌッセン、2年ぶりにF1復帰「本当にビックリ!」マゼピンの後任としてハースとサプライズ契約

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ハースF1チームはバルセロナテストの開幕を翌日に控えた3月9日(水)、ニキータ・マゼピンの後任としてケビン・マグヌッセンと2022年シーズンのF1レギュラードライバー契約を締結したと発表した。

驚くべき事に具体的な数字は明かされていないものの、契約についてチームは「複数年」と説明した。29歳のデンマーク人ドライバーは3月10~12日にかけてバーレーンで開催される第2回プレシーズンテストで初めてVF-22をドライブする。

F1キャリア119戦を誇るマグヌッセンは、マクラーレンからデビューした2014年の初戦でいきなり3位表彰台を獲得すると、ルノーを経て2017年にハースに移籍。2018年にはキャリアベストのランキング9位を獲得した。

だが、チームは2020年末のアブダビGPを以て契約を解除。マグヌッセンは僚友ロマン・グロージャンと共にF1シートを失った。

F1を去った後はチップ・ガナッシ・レーシングと契約を結び、IMSAスポーツカー・チャンピオンシップに参戦。優勝を含む4度の表彰台を獲得し、昨年は父ヤン・マグヌッセンと共にハイクラス・レーシングからル・マン24時間レースにデビューした他、マクラーレンSPからインディカーのロード・アメリカにスポット参戦した。

チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは「ケビン・マグヌッセンをハースF1チームに迎え入れることができ本当に嬉しく思う」と語った。

「我々はF1での豊富な経験と合わせてチームに価値をもたらすことができるドライバーを探していた。ケビンは我々にとってこれぞと言う候補だった」

「彼は昨年もエリートドライバーであることを証明し続け、その経歴に新たな勝利と表彰台記録を加えた」

「現場においてもエンジニアリングルームにおいても、彼は豊富な経験を持ち合わせている。VF-22の継続的な開発において我々に確かなベンチマークを提供してくれる事だろう」

「今週のバーレーンでケビンを迎えることを楽しみにしている」

マグヌッセンは今季もチップ・ガナッシと契約を結び、これと並行してプジョーのLMHル・マン・ハイパーカー・プログラムに関与していたものの、ハースからの連絡を受け両チームと契約解除で合意に達し、晴れてハースのシートを手にする事となった。

「ハースから連絡をもらった時は、もちろん本当に驚いたけど、それと同時に凄くワクワクする思いを抱いた」とマグヌッセンは語った。

「2022年に関しては(F1とは)別の方向性を模索していたんだけど、F1に復帰するチャンス、それもよく知るチームでという話はあまりにも魅力的だった」

「プジョーとチップ・ガナッシ・レーシングの両チームには心から感謝しなきゃならない。彼らは僕を速やかに開放してくれた。どちらも素晴らしい組織だ」

「もちろん、F1キャリアを再開するチャンスを与えてくれたジーン・ハースとギュンター・シュタイナーにも感謝したい」

「僕らの関係はずっと確かなものだった。2020年末を以てチームを去った後も、そのポジティブな関係は変わらなかった」

「VF-22の開発状況やパッケージのポテンシャルについて、できる限りの説明を受けた。やるべき仕事はあるけど、その一翼を担える事が本当に楽しみだし、バーレーンでF1マシンのステアリングを握るのが待ち遠しい」

ハースは貨物機の遅れからテスト初日午前のセッションを欠席。午後にリザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディを、2日目の午前にミック・シューマッハ、午後にマグヌッセン、そして最終3日の午前にマグヌッセン、午後にシューマッハを起用する。