ハースF1チームのニキータ・マゼピン、2021年F1サウジアラビアGPにて
Courtesy Of Haas

EU、元ハースF1のマゼピン父子をブラックリストに追加…対ロシア制裁で

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ロシア連邦政府を支援し利益を得ている等として、元ハースF1ドライバーのニキータ・マゼピンとウラルケム社及びウラルカリ社を所有する父ドミトリーが欧州連合(EU)のブラックリストに載った。

EUは3月9日(水)、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの追加制裁として、EU域内の資産凍結や渡航禁止措置の対象者をまとめたリストを更新したと発表した。

EUは先月末、「ロシア連邦政府を支援し利益を得ている」あるいは「ロシア連邦政府に実質的な収入源を提供している人物および団体」として新たに363人と4社の企業を加えたが、「状況の重大性」を鑑み、新たにロシア連邦議会のメンバー146人とマゼピン父子を含む160人を追加した。

窒素肥料大手ウラルケム社のオーナー兼CEOであるドミトリー・マゼピンはリストの上から5番目に名前が記されており、EUは追加の理由について「クリミア併合とウクライナの不安定化に責任を負うロシア連邦政府に大きな収入源を提供する経済部門に関与している」と指摘した。

また、ウクライナ侵攻命令が下った2月24日当日にウラジミール・プーチン大統領と会談した37人の実業家の中にドミトリーの姿があった事は「彼がウラジーミル・プーチンと最も近いサークルのメンバーであり、ウクライナの領土保全、主権、独立、および安定と安全を損う、または脅かす行動・政策を支持・実施している事を示すもの」だとも指摘した。

プーチン大統領と緊密な関係を持ち、政治的影響力を有する新興財閥「オリガルヒ」の一員に数えられるドミトリーのブラックリスト入りは特に驚くべきものではないものの、レーシングドライバーとして先日までハースF1チームと契約していた息子ニキータも制裁リストに加わった。

EUはニキータの追加理由として、父親がドミトリーである事を指摘し「ウラルケムはハースF1チームのスポンサーであり、ドミトリー・マゼピンはハースF1チームにおける息子の活動の主たるスポンサーである」と記した。

そしてニキータは「クリミア併合とウクライナの不安定化に責任を負うロシア連邦政府に対して、実質的な収入源を提供する経済部門に関与する有力実業家(彼の父親)に関連する自然人である」と付け加えた。

加盟国はブラックリストの掲載者について「自国への入国又は通過を防止するために必要な措置」を講じ、掲載者個人だけでなく関連団体・法人・組織が所有・管理する「すべての資金および経済資産」を凍結する事になる。

ハースF1チームはこれに先立ち、ドミトリー・マゼピンが筆頭株主のカリ肥料大手ウラルカリ社とのタイトルスポンサー契約並びに、ニキータ・マゼピンとのF1レギュラードライバー契約を即時解除。後任にケビン・マグヌッセンを起用した。