ターン1からホームストレート側に向かって撮影されたザントフォールト・サーキットの航空写真
Courtesy Of DTM

F1オランダGP復活を前に、一新されたばかりのザントフォールトで目を覆う大クラッシュが発生

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35年ぶりにF1カレンダーに復活するオランダGPの舞台、ザントフォールト・サーキットで3月8日(日)に、息を呑む大クラッシュが発生した。ザントフォールトは今年5月のF1復帰に際してコースと周辺設備をリニューアル。改修後初の公式競技で大きな事故が発生した。

メインの変更箇所は、ハイスピード・オーバルとして世界的に有名なインディ500の舞台、インディアナポリス・モーター・スピードウェイの2倍近いバンク角が設けられたターン3とターン14の2つのコーナーだが、今回の事故はこれとは別の高速のターン4、通称フンゼルクで起こった。

事故が起きたのは、改修リニューアルオープンを記念した最初のレース、HARCが主催するクラシックカーの耐久レース「Winter Endurance 2020」であった。レース中に、フーブ・ファン・エインドーベンが駆るポルシェ911 GT3が、18度のバンクが設けられたターン3直後のターン4でアウト側のウォールに激突。マシンは空中を半回転した後、ルーフ側から地面に叩きつけられた。幸いにもエインドーベン本人は自力でマシンから脱出した。

先日5日に行われたマックス・フェルスタッペンによるザントフォールトのデモランの際に指摘したばかりだが、オンボード映像を見る限り、改修後のザントフォールトはランオフエリアが非常に狭く感じられ、果たして本当にグレード1規格を取得できるのだろうかと思う位の恐怖感がある。

事故の様子を観客席から撮影した動画がネットにアップロードされているが、この映像はウォールに激突した後の様子が収められているだけで、事故の全貌は分からない。だが、グランプリ開催に際して何らかの対策を施す必要性がある点は、多くのファンの共感を呼ぶところだろう。

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