ラッセル、”涙”の初優勝!大物絡みの事故と不協和音…角田は”不可解”展開で最下位 / F1サンパウロGP《決勝》結果とダイジェスト
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2022年FIA-F1世界選手権第21戦サンパウロGPが11月13日に行われ、ジョージ・ラッセルがポール・トゥ・ウインでキャリア初優勝を飾り、2位にルイス・ハミルトンが続いた事でメルセデスが今季初優勝、初1-2フィニッシュを果たした。角田裕毅(アルファタウリ)は不可解な状況に見舞われ1周遅れの17位と、完走車の中で最下位に終わった。
大物ドライバー達による3件のインシデント、2度のセーフティーカー(SC)導入、数え切れないほどのオーバーテイク、そしてチーム内バトルやチームオーダーもあり、1時間38分のレースは波乱と混乱、そして興奮に包まれた。
ラッセル、涙のウィニングラン
ピットストップのタイミングで5周のみラップリードを明け渡したものの、トラブルを避け乱戦をくぐり抜け、完璧なドライビングでリードを守りきった。
トップチェッカーを受け、チームから無線で「ジョージ・ラッセル、君はF1レースウィナーだ!」との祝辞を受けると「信じられない! これは始まりに過ぎない。これからだ。みんなを誇りに思う。僕らならできると信じてた。ティッシュが必要かも。涙が溢れてきた」と返した。
ランク2位を巡るチームオーダー、そして拒否
3位表彰台にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が滑り込んだ。チームメイトのシャルル・ルクレールは1周目にランド・ノリス(マクラーレン)と接触。最後尾に転落しながらも4位フィニッシュと返り咲いた。
LAP 7/71
Norris and Leclerc also make heavy contact – Leclerc hits the wall!
Amazingly, he manages to continue after pitting for repairs#BrazilGP #F1 pic.twitter.com/8dPtvFvOEh
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3番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は7周目のターン2でハミルトンと接触。大量のデブリがコースに飛び散りフロントウイングの交換を余儀なくされるも、後方から6位にまで挽回した。インシデントの件では5秒ペナルティを受けた。
The view from onboard, as Max and Lewis come to blows 💥#BrazilGP #F1 pic.twitter.com/2TRaFJFzO8
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チームメイトのセルジオ・ペレスは一時、2番手を走行していたものの、デグラデーションに苦しみコース上でサインツとハミルトンにオーバーテイクを許した。周囲とは対照的に熱入れが悪い履き古したミディアムでSC再開を迎えた事で、終盤には一気に4ポジションを失い7位に終わった。
ドライバーズランキング2位争いを背景にルクレールは最終盤、2位のサインツとポジションを交換するよう要求したものの、チームは「リスキーだ」として拒否した。後方からはアロンソが接近していた。
同様の理由でレッドブルもペレスに順位を戻すよう指示したが、フェルスタッペンは「前にも言っただろ。2度と聞くなよ。いいな?」と拒否した。
アロンソ、同士討ちを経て逆転5位
What it means. 💙
Teamwork. 👊 pic.twitter.com/BK1rGl1Qnd
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5位にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が続いた。予選での同士討ちにより後方17番手からのスタートとなったが、好ペースを刻んでレース中盤にポイント圏内にまで浮上。数少ない3ストッパーながらも、終盤のSC導入によって有利にタイヤ交換を行うアドバンテージを得た。
8位にはスプリント後のマシン炎上を経て開封済みの別のICE(内燃エンジン)に載せ替えたエステバン・オコンが入り、アルピーヌがダブルポイントを獲得。マクラーレンがダブルリタイヤを喫した事でギャップを19点に広げ、コンストラクター4位の座を固めた。
9位にはバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、10位にはランス・ストロール(アストンマーチン)が滑り込んだ。
角田裕毅、不運の1ラップダウン
アルファタウリ勢にとってはまたも厳しいレースとなった。
角田裕毅は本来であれば15番グリッドに着く予定であったが、決勝を前にフロアを交換。これは規定で許可された以前使っていたものと同一仕様であったが、フロントウィング/ノーズアッセンブリー、そしてリアウィングが別仕様であったため、またサスペンションのセットアップを変更した事でパルクフェルメ規定違反となり、ピットレーンスタートを命じられた。
一時は13番手を走行する場面もあったがペースは上がらず、ミディアム、ソフト、ソフト、ミディアムと続けた3ストップ戦略も功を奏せず、更にはSC再開時にレースコントロールから出されたSC追い抜きの指示の中に、角田裕毅の22号車のみ含まれていなかったため1周遅れとなる不可解な状況にも見舞われた。
FIAによるとこれは手違いではなく、想定外の展開となった事で生じたものだった。
ピエール・ガスリーはポイント圏内をうかがうレースを展開したものの、2歩及ばず12位でフィニッシュした。ただ、ピットレーンの制限速度を1.8km/hオーバーしたとして5秒ペナルティが科された事で14位に降格となった。
レース展開
決勝は日本時間13日(日)27時にブラックアウトを迎え、1周4309mのコースを71周する事で争われた。現地サンパウロは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温23.3℃、路面49℃、湿度74%、気圧922.2hPaのドライコンディションで開始された。徐々に雲が広がり、最終的に路面温度は40度を切るまでに低下した。
公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。SC投入や接触事故によって3ストッパーを採った者もあれば、2ストッパーもありと、戦略は分かれた。
フェラーリ勢、ハース勢、ストロール、アロンソ、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)、角田裕毅はミディアムを、その他はソフトを履いてグリッドに着いた。アレックス・アルボン(ウィリアムズ)のみハードをスタートタイヤに選んだ。
メルセデスは完璧なスタートダッシュを決め、ラッセルとハミルトンは1-2をキープした。
オープニングラップのターン9でダニエル・リカルド(マクラーレン)がケビン・マグヌッセン(ハース)のリアに衝突。2台ともが大きなダメージを負って早くもSCが導入された。初の予選ポールシッターに輝いたマグヌッセンの夢のような週末はリタイヤで幕を閉じた。
SAFETY CAR (LAP 1/71)
Ricciardo and Magnussen collide in the middle sector 😱
They're both out of the car and appear to be OK, but the same can't be said for their cars#BrazilGP #F1 pic.twitter.com/6VKUHlmnLn
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7周目にリスタートを迎えると、ハミルトンを狙うフェルスタッペンがターン1で大外刈りを仕掛け、ターン2のイン側に飛び込んだ。お互いに全く譲らず接触へと至り、フェルスタッペンに5秒ペナルティが科された。
その直後には3位争いを繰り広げるルクレールがアウト側から仕掛けた際、外に膨らんだノリスに接触。ルクレールはフェルスタッペン同様ピットストップを余儀なくされ、ノリスに5秒ペナルティの裁定が下った。
ハミルトンは8番手にまで後退するも、接触によるパフォーマンスの低下は見られずステイアウトした。
最初にビットが動いたのは15周目。アロンソがミディアムからミディアムに履き替えた。上位勢としては、3番手を走行していたサインツが左リアブレーキに捨てバイザーが混入したこともあり、撤去を含めて18周目にピットに入りソフトタイヤを装着した。
LAP 17/71
Sainz comes in to switch out his medium tyres, but that right-rear is looking rather hot! 🥵#BrazilGP #F1 pic.twitter.com/vKkTTg5Nn2
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2番手を走行するペレスはラッセルの2秒圏内を維持していたが、20周目あたりからタイヤがタレ始め24周目にピットイン。アンダーカットを防ぐべく、その翌周にラッセルもミディアムタイヤに交換し、ペレスの3.5秒前でコースに復帰した。
レース中盤になるとペレスはラッセルについていけずジワジワと離されていき、逆に後方のハミルトンに接近を許す展開になり、45周目のターン1を前にオーバーテイクを許した。
3番手後退を機にペレスは47周目にミディアムに交換。これに対してメルセデス陣営は翌周にハミルトンをピットに呼び、ソフトタイヤを履かせてアンダーカットを防いだ。
終盤に差し掛かろうかという52周目、パワーがないと訴えノリスがコース上にクルマを停めた。
レースコントロールはバーチャル・セーフティーカー(VSC)をコール。3ストッパーのサインツとアロンソがピットイン。アドバンテージを得た。その後、VCSではなくSCに切り替えられ、全てのギャップはリセットされた。
VIRTUAL SAFETY CAR (LAP 53/71)
Lando Norris pulls over, ending a heart-wrenching day for McLaren 😞#BrazilGP #F1 pic.twitter.com/KSWSyTZQKm
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レース再開に向けてアルピーヌは、フレッシュなタイヤを履く後方のアロンソと争うなとの指示を出すも、オコンは断固としてバトルさせろと拒否。60周目にリスタートを迎えると、ベッテルを交わして7番手に浮上したが、すぐにアロンソに追い抜かれた。
ペレスは63周目にサインツに表彰台圏内3番手を許し、その翌周にはルクレールに、65周目にはアロンソにも追い抜かれ、更にその翌周にはチームメイトにもポジションを明け渡して7番手にまで後退した。
ラッセルはファステストを刻んでハミルトンとのギャップを広げ、1.529秒差をつけて初のトップチェッカーを受けた。
2022年F1第21戦サンパウロGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 63 | ラッセル | メルセデス | 71 | 1:38:34.044 | 26 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 71 | +1.529s | 18 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 71 | +4.051s | 15 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 71 | +8.441s | 12 |
5 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 71 | +9.561s | 10 |
6 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 71 | +10.056s | 8 |
7 | 11 | ペレス | レッドブル | 71 | +14.080s | 6 |
8 | 31 | オコン | アルピーヌ | 71 | +18.690s | 4 |
9 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 71 | +22.552s | 2 |
10 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 71 | +23.552s | 1 |
11 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 71 | +26.183s | 0 |
12 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 71 | +29.325s | 0 |
13 | 47 | シューマッハ | ハース | 71 | +29.899s | 0 |
14 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 71 | +31.867s | 0 |
15 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 71 | +36.016s | 0 |
16 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 71 | +37.038s | 0 |
17 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 70 | +1 lap | 0 |
NC | 4 | ノリス | マクラーレン | 50 | DNF | 0 |
NC | 20 | マグヌッセン | ハース | 0 | DNF | 0 |
NC | 3 | リカルド | マクラーレン | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 23.3℃ |
路面温度 | 49℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1サンパウロGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | インテルラゴス・サーキット |
---|---|
設立 | 1936年 |
全長 | 4309m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 反時計回り |