
二十歳の新人アイザック・ハジャー:”頼りの角田裕毅”とデビューへの意気込み―いざ開幕オーストラリアへ
2025年シーズンのF1グリッドには6名のルーキーが名を連ねる。その中で、レーシング・ブルズのシートを獲得したのが20歳のフランス・アルジェリア系ドライバー、アイザック・ハジャーだ。
2024年のFIA-F2選手権でランキング2位に輝いたハジャーは、念願のF1デビューを前に、F1公式サイトのコラムにその心境を綴った。
「僕がずっと夢見てきた瞬間――それが、ついに現実になる。でも、いざマシンに乗ると、不思議と違和感がなく、そのことを完全に忘れてしまうんだ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レーシング・ブルズのアイザック・ハジャーと角田裕毅、2025年2月英国ロンドン
万全の準備で迎えるシーズン
F1デビューに向け、ハジャーはフィジカル、メンタルの両面を強化してきた。シーズン開幕前にはカタールで2週間のトレーニングキャンプを実施し、新たなトレーナーとの関係を築いた。
さらに、1月から2月にかけてレーシング・ブルズの拠点であるイタリア・ファエンツァとイギリス・ミルトンキーンズのファクトリーを訪問し、チームとの連携を深めた。
「厳しいトレーニングだったけど楽しかったし、体のコンディションも完璧に仕上がっている。新しいトレーナーともすぐに良い関係を築けたよ」とハジャーは自信をのぞかせる。
また、冬の間はファクトリーでシミュレーター作業に取り組み、エンジニアとの技術ミーティングを重ね、着実に準備を進めてきた。
「ここまでは順調に進んでいるし、いい方向に進化していると思う」
レーシング・ブルズの前身、アルファタウリから2023年のメキシコGPでFP1に参加した経験があるため、チームメンバーともすでに顔なじみだ。新環境への適応はスムーズに進んでいる。
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ピットストップを行うアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズVCARB 02)、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト1日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
F1マシンへの適応、角田裕毅との関係
ハジャーが2025年型マシン「VCARB 02」を初めて走らせたのは、2月末のバーレーンでのプレシーズンテストだった。
ハジャーにとっては、レースディスタンスを消化したのもこの時が初めてだったが、「ステアリングを握ってすぐに違和感なくドライブできたし、大きな問題はなかった」と手応えを語った。
それでもなお、F1の世界で成功するためには、まだ学ぶべきことが多い。そんなハジャーが頼りにしているのが、チームメイトの角田裕毅だ。
「ユーキがチームメイトで本当に心強い。彼は経験豊富で速いし、とても良い関係を築けている。彼の存在は僕にとって大きなプラスになるし、チームにとっても有益なコラボレーションになると思う」と期待を寄せた。
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角田裕毅の顔写真がプリントされたTシャツを着るレーシング・ブルズのアイザック・ハジャーと、それを目にする角田裕毅、2025年2月3日(月) 英国ロンドン
いよいよ開幕戦へ
オーストラリアGPが間近に迫る中、ハジャーは「この瞬間をずっと待ち望んでいた」と高揚感を隠さない。
「とにかく一歩ずつ進んでいくことが大事。プレッシャーは自分自身にかけるものだし、最速のマシンで世界最高のドライバーと戦えることに興奮している」
特に、このデビューを誰よりも喜んでいるのは家族だという。
「両親や妹はずっと僕を支えてくれた。彼らの前で走るのが楽しみだし、誇りに思ってもらえるよう全力を尽くしたい」と決意を示した。
新たなスター候補として期待されるハジャーはどのような走りを見せるのか、そしてチームメイトの角田裕毅に対してどこまで戦えるのか――世界中のファンがそのパフォーマンスに注目している。
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レーシング・ブルズのアイザック・ハジャーと角田裕毅、2025年2月19日(水) イモラ・サーキットでのフィルミングデーにて